100万円台で買える!スライドドア付きで子育て世代に人気のミニバン&トールワゴン6選
■コスパ最高のコンパクトなミニバン&トールワゴン
子育て世代などのファミリー層に人気が高いのが、スライドドア付きのクルマ。
スライドドアがあれば、小さな子どもを後席のチャイルドシートに乗り降りさせたり、荷物の積み下ろしなどがとっても楽です。また、駐車中に子どもが急にドアを開いても隣のクルマへぶつけないなど、様々なメリットがあります。
最近は、ホンダの「N-BOX」など軽自動車のスーパーハイトワゴンなどにも、スライドドア付きモデルがあり人気ですが、もう少し室内に余裕が欲しいユーザーも多いと聞きます。
一方、ミドルサイズ以上のミニバンでは、安いグレードでも200万円台後半、ほとんどが300万円台を超えるモデルばかり。なにかとお金が掛かる子育て世代の中には、ちょっとハードルが高いと思っている人も多いでしょう。
そこで、ここでは、スライドドア付きで室内も比較的余裕があり、新車が100万円台から買えるミニバンやトールワゴンをピックアップ。
いずれも、コンパクトカーに分類されるモデルばかりですが、乗車定員も5名から最大7名乗りの設定があり、コストパーフォーマンスに優れたものばかりです。
●トヨタ・シエンタ
まずは、コンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」。価格帯(税込)は181万8500円~251万7000円です。
全長4260mmというコンパクトなボディは女性でも運転がしやすく、6人乗り/7人乗りができる3列シート仕様を設定します。
また、車中泊などアウトドア・ユースも考慮した5人乗り2列シート仕様の「ファンベース」も用意し、いずれも使い勝手がいい後席スライドドア付きです。
2020年6月には、2列シート車にLEDヘッドライトなどを装備した新グレード「FUNBASE G Cuero(ファンベースクエロ)」も追加。
2021年6月には上級グレードの「G」と「FUNBASE G」に安全機能を充実させた特別仕様車「セーフティエディションII」も登場しています。
シエンタの後席スライドドアは、左右両方が電動で開閉するデュアルパワースライドドアを全グレードに採用しているのが魅力。
また、地上からの高さ330mmの低い乗り込み口は、小さな子どもや高齢者でも乗り降りがしやすいほか、幼児などが立ったまま着替えもできる1280mmという高い室内高を設定。ファミリーユースを重心した数々の装備を誇ります。
ラインアップには、1.5L・直列4気筒ガソリン車と45KWモーターを装備したハイブリッド車があり、ガソリン車には2WD(FF)と4WDを設定、ハイブリッド車には2WDのみを用意します。
中でもガソリン車にはリーズナブルなグレードが用意されています。特に、2列シート仕様ファンベースでは、エントリーグレード「FUNBASE X」の2WD車なら、価格(税込)は181万8500円。
3列シート仕様で最安値(税込)は、やはり2WD・ガソリン車の「X」が185万9200円で、いずれも車両本体価格100万円台で新車が買えます。
一方、ハイブリッド車になると、最も安いグレードでも200万円を超え、2列シート車の最安値が「FUNBASE X」の223万6500円、3列シート車の最安値は「X」の227万7200円です。
どちらもガソリン車の同グレードより約42万円ほど高くなりますが、当然ながら燃費はよくなります。
ハイブリッド車2WDの燃費はWLTCモード(総合)で22.8km/L。ガソリン車の2WD車がWLTCモード(総合)で17.0km/Lですから、多少高くても燃費の良さを重心するならハイブリッド車も十分選択肢の中に入るのではないでしょうか。
●ホンダ・フリード
シエンタのライバル車ともいえるホンダ「フリード」も、使い勝手がいいスライドドア付きのコンパクトミニバンです。
ラインアップには、シエンタと同様に、6人乗り/7人乗りができる3列シート仕様の「フリード」と、5人乗り2列シート仕様の「フリード+」を設定。また、SUVルックの「クロスター」も用意します。
フリードの後席ドアにも、左右ともに電動で開く両側パワースライドドアを採用(Gホンダセンシングを除く)。また、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備するなど、安全装備が充実している点も注目です。
ラインアップには、1.5Lのガソリン車と同エンジンに22KWモーターを搭載したハイブリッド車を設定。どちらにも2WD(FF)と4WDを用意します。
上級グレードには、専用エアロなどを装備した「Modulo X(モデューロX)をガソリン車とハイブリッド車の両方に設定しています。
フリードの価格帯(税込)は199万7600円~327万8000円。その中で、価格(税込)がもっとも安いグレードは、ガソリン車2WD・3列シート(6人乗り)仕様の「B・Honda SENSING」で199万7600円。
一方、ハイブリッド車で最安値(税込)は、2WD・3列シート(6人乗り)仕様の「HYBRID G・Honda SENSING」が256万1900円ですから、56万円以上高くなります。
もちろん、燃費は全グレードでハイブリッド車の方がよく、WLTCモード(総合)で19.8~20.8km/L、ガソリン車の15.6~17.0km/Lを凌ぎます。
市街地走行などがメインで、あまり長距離を走らないのであれば、ガソリン車でも十分かもしれません。車体本体価格の安さをとるか、燃費をとるかは、どんな使い方が多いかで選ぶといいでしょう。
●トヨタ・ルーミー
次はコンパクトカーのトールワゴン。概ね5名乗りモデルが多いため、コンパクトミニバンほど大人数は乗れませんが、全高1700mmを超える背の高さなどによる室内の広さやスライドドア付きによる乗り降りのしやすさ、加えて価格が比較的安いという点で、ファミリー層などに人気のジャンルです。
そんなコンパクトトールワゴンの代表格といえば、同ジャンルで今最も売れているトヨタ「ルーミー」でしょう。
2016年に発売されたルーミーは、後から紹介するダイハツ「トール」のOEM車で、兄弟車にはスバルの「ジャスティ」もあります。
2020年9月にモデルチェンジを受けたルーミーは、それまで設定があった同じトヨタの兄弟車「タンク」と統合され、外観デザインを変更。
モデル統合以前のタンクに似たスポーティなフェイスデザインを採用する「スタンダード」仕様と、従来からルーミーが持つイメージを受け継ぐクローム調フロントグリルが特徴的な「カスタム」仕様の2タイプが設定されました。
また、安全装備「スマートアシスト」の機能が改善され、衝突回避支援ブレーキなどの検知対象に、同方向を走行するバイク・自転車などの2輪車、夜間の歩行者も追加。
さらに、スマートフォンとの連携でナビや電話、音楽などのアプリが画面上で使える9インチディスプレイオーディオを全車にオプション設定するなどのアップデートが行われています。
ボディサイズは、全長3700〜3725mm×全幅1670mm×全高1735mmで、車体自体はシエンタよりひとまわり小さいサイズです。ところが、室内サイズは長さ2180mm×幅1480mm×高さ1355mmと広々。
また、様々なシートアレンジが可能で、後席は最大240mmのスライドができるため、5人乗車で荷室に機内持ち込み用スーツケース4個の積載も可能です。
ルーミーの後部スライドドアも使い勝手が満点で、運転席側と助手席側の両方が電動で開くパワースライドドアを採用します。また、電子カードキーを携帯していれば、ドアハンドルのスイッチを押すだけでドアの施錠や解錠ができるワンタッチオープンや予約ロック機能、挟み込み防止機能なども用意します。
ラインアップには、1.0Lの3気筒のNA(自然吸気)エンジン車と1.0Lの3気筒ターボ車といった2タイプのガソリン車を設定。NA車には2WD(FF)のほかに4WDも用意します。
ルーミーの価格帯(税込)は155万6500円〜209万円で、多くのグレードが100万円台で購入できます。
たとえば、スタンダード仕様のガソリン車では、最も安いエントリーグレードの「X」が2WD155万6500円、4WD173万2500円。その上のグレード「G」でも2WD174万3500円、4WD191万9500円。スタンダード仕様のターボ車「G-T」(2WDのみ)でも186万4500円です。また、カスタム仕様でも、「カスタムG」の2WDなら191万4000円となっています。
これだけ豊富なグレードが100万円台で買えるのはかなり魅力ですね。ただし、エントリーグレードのXでは、前述のパワースライドドアなどの機能が、助手席側のみにしか設定がないなど、一部の装備が省略されています。
その分、価格が安いのですが、購入の際はどんな装備が必要なのか優先順位を決めて、予算の範囲内で買えるグレードを選ぶことをおすすめします。
●ダイハツ・トール
ダイハツの「トール」は、前述の通りOEM車であるルーミーのベースモデル。基本的な装備はほぼ同じで、外観デザインにスタンダードとカスタムといった2タイプを用意する点も同じです。
価格帯(税込)も155万6500円〜209万円と同様。スタンダード仕様なら、155万6500円〜188万8700円で、全グレードの2WDと4WDが100万円台で買えます。
また、カスタム仕様も「カスタムG」の2WDなら191万4000円となっている点も、ルーミーと同様で、多くの仕様が100万円台に設定されています。
ただし、こちらも、装備はグレードによって変わります。安いグレードには、パワースライドドアが助手席側だけだったり、信号待ちなどでブレーキペダルを踏み続けなくても停車状態を保持するオートブレーキホールド機能がオプションだったりします。
購入する際は、やはり、必要な装備を考えてグレードを選ぶことが必要ですね。
●スバル・ジャスティ
スバル「ジャスティ」も、ルーミーの兄弟車で、トールのOEM車であるのは前述の通り。主な装備はほぼ同じですが、こちらはルーミーやトールでいうところのカスタム仕様のガソリン車だけを設定しています。
価格(税込)は、2WD(FF)なら196万4600円で、ギリギリ100万円台。ただし、ルーミーやトールでは同様のグレードが191万4000円ですから、ややジャスティの方が高めです。
ちなみに、ジャスティは4WDも216万4800円で、同様のグレードではルーミーやトールが209万円ですから、こちらもちょっとお高めですね。
ルーミーやトールと装備的にはほぼ変わらないことを考えると、ジャスティをあまり街で見かけないのはやはり価格面が大きいのでしょうか。
でも、レア度が高いことは間違いなし。あまりクルマに詳しくない人が見れば、「ルーミーみたいな形で、スバルのエンブレムが付いた正体不明のクルマ」なんて思われそうですから、他にない個性的な愛車になるといえるでしょう。
また、スバルブランドのクルマが好きとか、なじみのディーラーがスバルの販売店でアフターサービスなどが安心といった理由があれば、選択肢にいれてみる価値は十分あるでしょう。
●スズキ・ソリオ
5人乗りコンパクトトールワゴンの先駆者がスズキ「ソリオ」です。元々は軽ワゴン車「ワゴンR」を大型化した「ワゴンRワイド」の後継モデルでしたが、2011年に専用プラットフォームを採用した2代目が登場してからは、完全独立モデルになりました。
当時は、ほかにライバル車がなく、着実な売上で市場を独占していましたが、2016年にダイハツのトールやトヨタのルーミーが登場したことで、このジャンルが一気にヒートアップ。以後、子育て世代を中心に根強い支持を受けている人気モデルの1台です。
2020年12月にフルモデルチェンジを受けた4代目ソリオは、先代モデルのプラットフォームを継承しつつ、車体を大型化して全長を80mm延長。
これにより、荷室床面長を100mm拡大し、35Lスーツケースを5個収納できる広さを確保するなど、より使い勝手を向上しています。
また、高速道路などで車間を自動で保ち先行車を追従するACC(アダプティブクルーズコントロール)に、渋滞時も対応する全車速追従機能を追加。上級グレードには、カラーヘッドアップディスプレイを採用するなど、安全装備も向上させています。
新型ソリオは先代から定評がある室内の広さも健在です。運転席と助手席の間から後席へ移動できるウォークスルーが可能なほか、後席は165mmのスライド量を確保。
荷物の量に合わた荷室スペースの調整ができるほか、最大56度のリクライニングも可能で、乗員の体格に応じた位置調整ができるのも魅力です。
ラインナップには、1.2L・4気筒ガソリン車と、発進時や加速時などにモーターがアシストする同エンジンのマイルドハイブリッド仕様を設定。いずれも2WD(FF)と4WDを設定し、価格帯(税込)は151万5800円〜214万8300円です。
ソリオも、100万円台のグレードを多く揃えるモデルです。まず、ガソリン車ではベースグレード「G」の価格(税込)が151万5800円〜170万7200円。
ハイブリッド車では、中級グレードの「ハイブリッドMX」の価格(税込)が176万7700円〜197万5600円。
さすがに、上級グレードの「ハイブリッドMZ」になると、価格(税込)202万2900円〜214万8300円で、またカスタムモデルの「バンディット」も200万6400円〜213万1800円と200万円を超えます。
ただし、装備は上級グレードの方が豪華です。たとえば、後席の電動スライドドアは、上級グレードのハイブリッドMZなら、助手席側と運転席側の両方が標準装備されています。
一方、ハイブリッドMXやソリオバンディットは助手席側のみ標準装備で、運転席側はソリオバンディットがオプション設定、ハイブリッドMXにはオプションの設定すらありません。また、ガソリン車のGでは、助手席側のみスライドドアが標準ですが手動式で、電動式はオプションとなっています。
燃費は、WLTCモード(総合)でガソリン車が2WD19.0km/L、4WD17.8km/L。ハイブリッド車は2WD19.6km/L、4WD18.4km/Lです。
こうしてみていくと、燃費がよく、助手席側だけですが電動スライドドアも付き、100万円台で買える中級グレードのハイブリッドMXがお買い得な感じですよね。
ただし、ハイブリッドMXとGには安全装備の「スズキ・セーフティサポート」を非装着とし価格を安価にした仕様もあります。もちろん、それらは価格も安いのですが、衝突被害軽減ブレーキなどの先進装備がありません。
安全装備も重視したいのであれば、それらグレードはスズキ・セーフティサポート付きでも100万円台ですから、そちらを選んだ方がいいでしょう。
(文:平塚 直樹)