大阪メトロの新造「30000A系」、既存車両との違いは
Osaka Metroは2021年12月9日、中央線に新型車両「400系」と新造車両「30000A系」を導入すると発表した。
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新型の400系は「中央線を運行する20系車両の更新車両及び他路線へ転用する24系車両の置き換え車両」という位置づけだ。一方の30000A系は、2011年に御堂筋線で運行を開始した30000系車両を中央線用車両としてさらに改良したもので、万博開催期間中の必要な輸送力を確保するための「輸送力増強」目的で導入される。
30000A系の運行開始は2022年7月予定で、導入数は6両×10編成。万博終了後は谷町線へ転用される。(400系は2023年4月運行開始予定)
中央線30000A系車両の特徴はデザイン
車体形状は御堂筋線の30000系と同様で、外観デザインを大きく変更した。号線色を残しつつも、これまでの号線色帯を改めている。「今までにない斬新なデザイン」(Osaka Metro)という。
大阪の賑わいや人々の輝く姿をドットでシンボル化し、これまで以上に人・街・乗り物が有機的につながりあう、これからの新しい未来を「スパークルドット」として表現。
それぞれのドットの意味は色によって異なり、ホワイト=街ゆく人々、アールグレイ=街並み、グリーン=Osaka Metroの車両をそれぞれ表す。未来社会はゴールドで表現し、そこに存在する全ての要素が多様性をもってランダムに「集まる」「つながる」ことを意味する。
車内は既存の御堂筋線30000系をベースに、デザインを大きく変更した。まず腰掛の表布の色は背と座席で異なる。背はゴールドイエロー、座面はターコイズブルーで、下方に重心を置くことで車内全体を明るく軽やかに、さわやかな車内となるようにした。スパークルドットを外観だけでなく車内にもアレンジし、新しい未来を感じさせるワクワク感を演出している。
その他にも快適性・利便性・安全性の向上やバリアフリーへの取り組みとして、次のような特徴が挙げられる。これらの多くは同じく大阪・関西万博を機に導入される「400系」新型車両と共通のものだ。
<車内快適性の向上>・荷棚を利用しやすいよう荷棚高さを全車両100ミリメートル下げた。・座席の配置を工夫することで、一部の乗降口横のスペースを拡大(1両に6か所)。大きな荷物を持ち込む場合も利用しやすくした。・車内照明をLED照明とし、車内空間を明るくし、視覚的な快適性の向上を図った。・脱臭、除菌、PM2.5抑制、花粉やダニ等のアレル物質の抑制効果がある空気浄化装置を全車両に設置。
<車内利便性・安全性の向上>・乗降口上部の車内案内表示器に2台のワイド液晶ディスプレイを搭載し、2画面構成により、乗換案内や駅設備案内等、よりきめ細かな情報を提供できるように。・日本語、英語に加え、中国語、韓国・朝鮮語の4か国語で運行案内を実施。・全車両に車内Wi-Fiを導入し、サービス向上を図る。・防犯カメラを全車両に搭載し、車内での犯罪抑止及びセキュリティ向上を図る。
<バリアフリーの取り組み>・近年の新造車両と同様に床面高さを40ミリメートル下げ、ホームとの段差を縮小。・ドア部の床に黄ラインを入れ、乗降口を識別しやすくした。・チャイムとドア上部のランプの点滅でドアの開閉を知らせる。・優先座席部のつり革・手すりをオレンジ色とし、背を一般座席と異なる色とすることで、優先座席をより識別しやすくした。・開いているドアの位置を知らせる誘導鈴を設置。
画像:Osaka Metro記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/)