シェアオフィス100台のスマートロックを「bitlock PRO」に変えた理由
ビットキーは4月19日、オフィス向けのスマートロック「bitlockPRO」を発表した。解錠速度が最大205%速くなったほか、電池本数が従来の8本から4本に減らし、小型化も実現している。使用料は初期費用0円で、月額費用として税込5000円〜が必要になる。すでに、東京都港区のシェアオフィス「青山アラマンダワークコート」で100台を先行導入している。
青山アラマンダワークコートのミーティングルームに取り付けられた「bitlockPRO」 新製品「bitlockPRO」。右がスマートロックで、左がカードリーダービットキーでは、オフィス向けのスマートロックとして「bitlockPRO」を展開してきたが、解錠速度や取り付けについて課題があったという。新製品では、そうした課題を解消するため、ボタン式だったフロンパネルにタッチパネル方式を取り入れ操作性を向上。「ハードウェア機構やファームウェアの見直しなど、ゼロベースで作り直し、速度の向上を実現した」とビットキー WORK事業CXマネージャーの石政健人氏は話す。
青山アラマンダワークコートでは、96部屋の個室オフィスと会議室、事務スペースに計100個のスマートロックを採用。会員やスタッフはICカードを使って解錠している。今回、すべてのスマートロックをbitlockPROへと変更。使用していたICカードはそのままに、データを書き換えることで、リプレイスを実現した。
ユニマット ミライオフィスの若林久美子氏は「社内で経営資源の適切化とコストの見直しをするタイミングがあり、数多く導入しているスマートロックのランディングコストも見直したいと思っていた。スマートロックに関しては、100台という大規模なリプレイスのため、お客様にご迷惑をおかけしないかと不安な面もあったが、ビットキーの方にほぼ常駐していただくような形で、大きなトラブルもなく、迅速に入れ替えることができた。今後は、会員管理や決済まで一気通貫でできるシステムを整えたいと思っている。そこまでのシステムが作れれば、約30%のコスト削減に結びつくはず」と話す。
ユニマット ミライオフィスの若林久美子氏(左)、ビットキー WORK事業CXマネージャーの石政健人氏(右)bitlockPROでは、検索や予約、鍵発行などができる「workhub」アプリを用意しており、スマートロックだけにとどまらないオフィス向けサービスが展開可能。青山アラマンダワークコートにおいても「鍵の体験ではなく、会員管理や総じて決済までのシステムを作れないかと思った」と若林氏が話す通り、一気通貫のシステム構築を見据える。
新モデルでは、電池寿命はそのままに、電池本数を従来比半分となる4本で駆動するほか、オプションでACアダプタによる給電にも対応。「100台導入していると、電池切れは常時起こる。その電池交換の手間が省けるため、現場から非常に喜ばれている」(若林氏)と電池の重要性を説く。
また、製品構造の見直しにより、サイズ調整パーツを動かすだけで、各サムターンに対応できるため、カバー率が99%に向上している。本体表面のパネルは、付け替えが可能で、木目調やブランドロゴなど、デザイン対応も可能。サイズは高さ140mm×幅53.5mm×奥行き66mmと従来モデル(高さ165mm×幅58mm×奥行き48mm)に比べてコンパクト化している。なお、新製品の登場を機に現行機種は「bitlockPRO(2019)」と呼称を変更する。
現行機種「bitlockPRO(2019)」(いずれも左側)とのサイズ比較