「パム&トミー」、赤裸々テープ流出のスキャンダルを描いたドラマ|ディズニー+で配信中

2022年2月2日(水)よりディズニープラスで配信開始された『パム & トミー』は、90年代のトミー・リーとパメラ・アンダーソンのロマンスとセックステープ流出を描いた全8話のドラマシリーズです。

これはポップカルチャーにおける大きなスキャンダルの1つとして知られている、実話をもとにした作品です。盗まれたホームビデオが、インターネットによって世界中の人たちの目に届くようになってしまった最初の拡散事件と言えるでしょう。

2人が初めて出会ったのは、1994年の大晦日のパーティー。

リーはモデルのエレーヌ・スタルチュク、そして女優のヘザー・ロックリアと2度の結婚を経験しており、その後モデルのボビー・ブラウンと婚約していました。1981年からヘヴィメタルを代表するバンド「モトリー・クルー」のドラマーとして活躍していた彼は、当時32歳でした。

アンダーソンは以前、コメディアンのティム・アレンが主役を務めるシットコム『Home Improvement』に端役で出演していましたが、1992年からは『ベイウォッチ』でC.J.パーカー役を演じていました。

ABC Photo ArchivesGetty Images

リーの友人のゲラン・スウィングによると、その夜リーは、さまざまな薬物の影響でヘラヘラと子どもじみた行動をとっており、アンダーソンの顔を「あごからこめかみまで」舐めたそうです。

アンダーソンのカンクン(メキシコ)での撮影現場にリーがサプライズで登場したとき、2人は出会ってまだ4日目でした。リーはその場でプロポーズし、その後すぐに結婚…。新郎はショートパンツ、新婦はビキニで登場し、薬指には互いの名前のタトゥーを入れました。アンダーソンの母親は、『ピープル』誌でこの結婚を知ったそうです。

「最初、トミーと私は強烈で、楽しくて、クレイジーな関係でした。2人共子どもでしたから」と、アンダーソンは1998年に語っています。「深く愛し合っていました。ドラッグとかアルコールとか、そういうものではなくて、2人共人生に対して本当に情熱的だったんです」

James AylottGetty Images

1996年に2人は第一子を授かり、リーは後に感動的な言葉でこう振り返っています。

「子どもを授かった主寝室で、赤ん坊が妻の中から出てきたのを観たとき、涙があふれてきたよ。引っ張り出すのだって手伝ったんだ」

幸せな時間を過ごしていたはずの2人ですが、事態は急速に変化していきます。

「ある晩、パメラと夕食をとりながらテレビを観ていると、ニュース番組で自分たちの名前が紹介されているのを聞いたんだ」と、リーは当時を振り返ります。「画面には、ビデオ屋でテープを棚に並べている男が映っていた。そして、それが何なのかをはっきり知ることになったんだ…」

それは、アンダーソンとリーが休暇中に撮影したセックステープのダビングだったのです。

「私たちはミード湖で、5日間のハウスボートの休暇を楽しんでいた」とリーは話します。「いつものように、ビデオカメラを持っていったんだ。ポルノを撮影しようとしたわけではなく、ただ休暇を記録するためにね。帰ってから一度観て、それからガレージにあるスタジオのコントロールルームのカーペットの下に隠してある、巨大な金庫に入れたんだ」

ここから厄介なことになります。アンダーソンとリーは1995年の初め、マリブの家を3カ月かけて改修するために、何人かの建築家を雇いました。その中にいたのが、ランド・ゴティエという電気技師だったのです。

建築業者の仕事に満足しなかった2人は、彼らを即刻解雇します。その後ゴティエは、自身の報酬を2万ドルとして請求するも、アンダーソンとリーは未払いのままだったのです。そこでコディエらは、腹を立てたわけです。

しかも、同僚たちと道具を取りに戻ったところ、リーにショットガンの銃口を向けられ脅されたゴティエ…。そんなわけで、今度はコディエのほうが行動を起こす番となったわけです。

「もともと人に好かれるタイプではありませんでしたが、銃を突きつけられたことは一度もありませんでした。頭がおかしくなりそうでしたよ」と、ゴティエは後に『ローリング・ストーン』誌に語っています。そしてゴティエは、計画を立てました。

「数カ月後、パメラと私がロンドンでクリスマスを過ごしている間、家の工事が行われていた」と、リーは振り返ります。「その後、地下室での録音を終えてからスタジオを解体したんだ。カーペットをはがすと、かつて金庫があった場所には何もなくなっていたよ」

「パム&トミー」、赤裸々テープ流出のスキャンダルを描いたドラマ|ディズニー+で配信中

「鍵や窓が壊されていなかったので、内部の犯行に違いないと思ったけどね…。鍵を持っていたのはアシスタントと工事関係者だけで、その中には、元ポルノ俳優でこの辺りのことに精通している電気技師もいたことに気づいたさ。クレーンで金庫を運び出し、ピッキングか爆破して金庫を開けたのだろうとも考えたね。狙いは銃や宝石類だったんだろうが、家宝から写真まで全部持っていかれてしまったよ」

ゴティエは1995年の夏の間ずっと、襲撃の計画を練っていたそうです。クルマで家の前まで行って、じっと座って観察していたとのこと。そして、ヤクの毛皮の敷物で身を隠し、犬のように這って監視カメラの前を通り、車庫に入る計画を立てました。

Steve.Granitz/INACTIVEGetty Images

1995年11月4日午前3時、ゴティエはリーたちの家に侵入。金庫の場所を隠していたミキシング・コンソールを分解し、1.8メートル×1.2メートル、重さ230キロもある金庫をたった1人で台車に縛りつけ、それを自分のトラックの荷台に乗せたと言います。

ゴティエの友人たちは、彼の話を疑ってもいます。「他の作業員が関与しているのでは…」と、話しています。

銃や宝石、アンダーソンが結婚式で着たビキニなどが入った金庫を切って開けたゴティエは、カセットテープをノース・ハリウッドの勤務先のポルノ・スタジオに持っていき、オーナーと一緒に観たそうです。

「再生してそれが何なのかわかった瞬間、金の匂いがしました。ドル紙幣が目の前を飛び交っていましたよ」と、ゴティエは言います。「でも、命の危険があるかもしれないとも思いました」

1996年1月、金庫がなくなっていることに気づいて「パニックになった」というリー。2人は警察に届け出ました。

「すぐに、Internet Entertainment Groupという会社のポルノのセールスマンから電話がかかってきた」と、リーは振り返ります。「テープを買って、インターネットで流すつもりだと言うんだ」とのこと。これを阻止しようと、夫妻は裁判を起こしました。もちろんアンダーソンは、屈辱的に感じたそうです。

「証言録取では、口の端に白いカスがついた老人がプレイボーイに載っている私の裸の写真を掲げて、『セックステープなど、なぜいまさら気にするのか?』と訊いてくるんです」と、彼女は2004年のリーの自伝『Tommyland』で語っています。「とても手に負えませんでした。汗臭いおじさんたちが、私の性生活について訊いてくるような証言録取なんてもう出られない…と、すぐに限界となりました」と、アンダーソン。

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やがてアンダーソンとリーは、ある結論に達しました。

「弁護士やマネージャーたちのアドバイスで、同社にはすでに弱みを握られているので損害を最小限に抑えるには、販売、コピー、取引、再放送をしない限り、1回限りのウェブキャストを許可するという契約を結ぶしかないということになったんだ」「こちらの勝ちだと思ったよ。ネットの動画なんて誰も見ないし、またやり直せるってね」と、リーは言います。

ですが、残念ながらそうはなりませんでした。1996年から1997年にかけて、このテープは徐々に話題となり、拡散されたわけです。正規の売り上げは、7700万ドルに上ったと推定されています。

1998年のアンダーソンとリー両名の結婚生活は、口論中にリーに蹴られたとアンダーソンが主張し、険悪な雰囲気の中で幕を閉じました。

2005年にトミー・リーは、コメディー・セントラルでパメラ・アンダーソンをからかう番組に参加しました。それはオープニングのシーン。私はこの番組に、今夜、美しく、才能があり、思いやりのあるブロンドの元妻を称えるために出演していました。ですが残念ながら、そのヘザー・ロックリアはここに来れなかったので、「代わりにパメラをからかおうじゃないか?」というものでした。

「この世で最も素敵な女性」だとジョークを締めくくり、パメラ・アンダーソンは数年後、2人が離婚後も定期的にベッドを共にしていたことを明かしています。

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その3年前、2人はセックステープを配布したIEG社を相手に、ついに勝訴しました。それぞれ74万ドルの賠償金を勝ち取りましたが、IEGの代表者は裁判に姿を見せませんでした。同社はすでに存在していなかったためです。よってパメラとトミーは、その賠償金を手にすることはできませんでした。

ERIC ESTRADEGetty Images

2006年7月、元『ベイウォッチ』のスターはトミー・リーのライバルであるカントリー・ラッパーのキッド・ロックと結婚しました。が、これも束の間のロマンスとなりました。

同年11月に離婚し、そこからキッド・ロックとトミーの確執はさらに深まりました。2007年のMTV VMAでは、アリシア・キースのパフォーマンス中にキッドがトミーを殴りつけています(モトリー・クルーのドラマーは、これを「ビッチ・スラップ」と呼んでいます)。

やがてパメラ・アンダーソンは、2008年にトミー・リーと復縁します。(本人たちは「801回目」の挑戦と呼んでいました)リーは『ローリング・ストーン』誌に、「最高だよ。間違いなくうまくいっている。子どもたちの顔を見ればわかるよ、俺たちが一緒にいると幸せなんだ」と話していました。ですが残念ながら彼らは、2010年に破局しました。

それでもアンダーソンは、トミー・リーを「最愛の人」と呼んでいます。

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Source / ESQUIRE UKTranslation / Yuka Ogasawara※この翻訳は抄訳です。

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