11月11日は「電池の日」 液漏れしない正しい電池の使い方を
家電店に行けば簡単に手に入る電池。使い方についてももう一度目を向けたい
電池は私たちの生活で当たり前のように使うコモディティー(日常)商品で、乾電池などは深く考えずに使っていないだろうか? 最近の国内メーカーの乾電池は液漏れ防止や長期保存を実現しているが、使い方を誤ると液漏れを起こし、機器の故障や事故にもつながる。きょう11月11日は「電池の日」だ。改めて液漏れしない正しい電池の使い方について見ていきたい。 まず、きょうが電池の日ということを知っている人がどれだけいるだろう―。実は11月11日は数字が並ぶこともあり多くの記念日が設定されている。その中で「電池の日」は電池工業会が1987年に制定したものだ。「11」を漢字で書くと「+(プラス)-(マイナス)」になり、電池の正極・負極を表すことにちなんで定めたという。ちなみに12月12日は、野球のピッチャーとキャッチャーのポジション番号が1と2になっていることから「バッテリーの日」と定めており、11月11日から12月12日までを電池月間として電池の正しい使い方について啓発活動をしている。 さて電池の正しい使い方とはどういうことだろうか。プラスとマイナスの方向を間違わずに合わせて入れるだけではないか、と思う人も多いだろう。最近のスマートフォンやデジタルカメラなどの電子機器は専用のリチウムイオン電池を使うことが多く、乾電池を使うケースが少ないと感じる人もいるかもしれない。 ところが意外と乾電池を使う製品が多いことに気付く。家電製品のリモコンに加え、ワイヤレスマウス、掛け時計や置き時計なども乾電池を使う。携帯用電動歯ブラシ、携帯用のシェーバー、電動血圧計なども乾電池だ。玩具なども電池駆動のものが多く、子どものいる家庭では乾電池の備蓄は欠かせない。ビジネス用途では電子辞書やICレコーダーなども乾電池駆動のものが多い。防災の観点では懐中電灯や携帯ラジオなどもある。これから冬になるとストーブを使う人も多いが着火は電池だったりする。 最近の国内メーカーのアルカリ乾電池はハイパワーで長持ちなどの性能面だけでなく、長期保存や液漏れ防止など安全面も強化されている。そのため機器の故障や事故が起こりにくくなっていることは間違いない。半面、「いくら安全性を高めても使い方を誤ると液漏れなどを起こしてしまう」(電池メーカー関係者)という。 ここでは電池で最も起こりやすい液漏れについて見ていきたい。 液漏れの多くは電池の過放電によるものだ。電子機器は電池を入れているだけで回路に微弱電流が流れる。そのため、電池を入れたままにすれば電池容量が無くなっても電子機器が電気を必要とし、さらに電流を吸い取ろうとして過放電状態になってしまう。 過放電になると電池内にガスが発生するため、そのままでは電池内にガスがたまり、筒が膨張し最後は破裂してしまう。この破裂を防ぐために液漏れさせているのだ。つまり爆発事故を防ぐために液漏れさせているというのが正しいだろう。そうはいっても液漏れすれば機器が破損してしまうため、いかに液漏れさせないように使うかがポイントになってくる。 懐中電灯などで電池を入れっぱなしにして液漏れした経験のある人は多いだろう。正しい使い方をしていても長期間電池を入れっぱなしにすると液漏れしてしまう事例だ。長期間使わないときは必ず乾電池を外す習慣をつけた方がよい。 そのほか、リモコンやマウスの液漏れ事例もある。リモコンの電池がなくなっているにもかかわらず、何度もボタンを押し、通電しようとすることで電池に負荷が掛かって過放電になるものだ。何度かボタンを押すと操作ができる場合もあるが、動くからもったいないと思わない方がよい。電池メーカーなどでは少しでも反応が鈍くなったら新しい乾電池に交換することを推奨している。 少しの気遣いで液漏れは防げる。これから年末にかけて大掃除のついでに電池交換などをする機会も増えてくるだろう。乾電池の使い方をもう一度みつめてみてはいかがだろうか。
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最終更新:電波新聞デジタル