日産&三菱が軽EVの投入を発表 “短距離・低価格”はEV普及の起爆剤となるか?

発表の内容から新型軽EVの姿を読み解く

日産と三菱は2021年8月27日、共同開発中の軽自動車(以下、軽)規格の新型電気自動車(EV)を、2022年度初頭に発売すると発表した。軽乗用EVとしては、「三菱i-MiEV」に続く史上2例目となる。発表によると、新型軽EVの車体サイズは全長×全幅×全高=3395×1475×1655~1670mm、電池容量は20kWh、2021年度と同額の補助金を想定した実質購入価格は、約200万円……とされている。

日産&三菱が軽EVの投入を発表 “短距離・低価格”はEV普及の起爆剤となるか?

新型軽EVも、全長と全幅は当然のように軽規格枠いっぱいである。そのうえで全高が1655~1670mmということは、基本プロポーションは「日産デイズ」や「三菱eKワゴン/eKクロス」と同等のハイトワゴンであることを意味する。

かつてのi-MiEVは16kWhの電池を積んで、一充電航続距離はJC08モードで最大180kmをうたっていた。新型軽EVの電池容量は20kWhなので、低電費技術の向上も見込むとWLTCモードで200km弱といったところか。

EVなどに支給される基本的な補助金(CEV補助金)は、航続距離や外部給電機能の有無に応じて、クルマごとに決まっている。厳密な計算式は公表されていないが、実例を見ると航続距離100kmあたり10万円前後(で、最大40万円)、さらに外部給電機能が付くと2万円上乗せとなっている。

三菱のプレスリリースに「新型軽EVにも日常での走行に十分な容量を確保するとともに、万が一の際は、蓄えた電力をV2H機器を介して家庭へ供給するなど、非常用電源としても活用できます」とあるので、外部給電機能が少なくともオプションでは用意されるのだろう。となると、想定されるCEV補助金は20~22万円。それを差し引いた実質価格が約200万円ならば、新型軽EVの本体価格は220万円強になるようだ。

日産が2019年の東京モーターショーで発表したコンセプトカー「IMk」。軽ハイトワゴンのEVだった。
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