日産GT-RプレミアムエディションT-spec(4WD/6AT)【試乗記】 進化と熟成 ここに極まる

限られた数に応募が殺到

2022年秋に施行される車外騒音規制の達成難易度の高さから、生産終了もうわさされている日産GT-R。その2022年モデルに新たに設定されたのがT-specだ。

日産GT-RプレミアムエディションT-spec(4WD/6AT)【試乗記】 進化と熟成 ここに極まる

GT-Rで“T”といえば思い浮かべるのは人の名前……というのは事情通な方々だと思うが、田村宏志CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)によると、その意は四駆を武器とする第2世代以降最大の特徴を表した「トラクションマスター」、もしくは常に性能的指標を更新してきた「トレンドメーカー」の頭文字だという。いずれであれ、ここにも集大成的な意味合いを感じてしまうのは僕だけだろうか。

T-specにはカタログモデルの「プレミアムエディション」をベースとしたグレード、そして「トラックエディションengineered by NISMO」をベースとしたグレードの2つがあり、当初は前者が63台、後者が37台の合計100台を抽選販売するとされていた。が、くだんの生産終了のうわさも追い風となり、2022年モデル全体の受注状況が盛り上がっていたこともあってだろう、その発表会上で台数の積み増し検討が表明され、結果的に国内では120台程度が販売されたようだ。それでも抽選倍率は軽く20倍以上だったというから、当選者の喜びはひとしおだろう。他に米国や豪州向けなども含めると、T-specの総生産台数は約300台になるという。

ちなみに今回の取材車は日産が所有するもので、プレミアムエディションをベースとしたT-specになる。ボディーカラーは「ミレニアムジェイド」。計6色の選択肢のなかでも、「ミッドナイトパープル」とともに用意された専用色となる。その名を聞いてピンときた方もいらっしゃるだろう第2世代GT-Rを象徴するこの2つの塗色だが、当時の色そのものではなくT-spec用にあらためて特別配合されたものだ。

「日産GT-R」の2022年モデルに設定された特別仕様車「プレミアムエディションT-spec」。標準車とは異なる内外装や、足まわりの仕様を特徴としている。
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グリーンの内装色が目を引くインテリア。インストゥルメントパネルをはじめ、各所の表皮にアルカンターラが用いられている。
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試乗車のボディーカラーは「T-spec」専用色の「ミレニアムジェイド」。R34型「スカイラインGT-R」に設定されたボディーカラーをモチーフとしたものだ。
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あまりの応募の多さから、急きょ増産が決定された2モデルの「T-spec」だが、それでも抽選倍率は20倍を超えたという。
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