ニュース 防犯巡回する「青パト」 タクシーに業務移行を検討 政府、予算減額し台数減少へ

駐車場に並ぶ青パト車両。車両点検を終え、隊員らは車内で待機している=23日午後6時25分ごろ、那覇市上之屋

 政府が米軍関係者の事件事故を防ぐ目的で2016年に始めた沖縄・地域安全パトロール(通称・青パト)事業の規模を縮小し、タクシーを活用したパトロール(通称・タクパト)への業務移行を検討していることが1日、分かった。政府は県内のタクシー事業者にドライブレコーダーや緊急通報装置を提供し、18年度から試験運用を始めている。内閣府の担当者は本紙の取材に「タクパトの防犯効果を検証した上で、青パトからの移行も視野に検討していく」としている。(社会部・矢野悠希) 政府は22年度の沖縄関係予算案で、青パト事業を21年度の7億3千万円から4億6500万円に減額した。担当者は理由を「数年間事業を継続し、知見がたまってきたため」とした。 予算減に伴い、事業も縮小する。22年度の入札公告などによると、午後7~10時までパトロールしていた青パトの台数を、21年度の75台から40台まで減らす。 警備会社に委託している午後11時~翌日午前5時までのパトロールは、前後1時間ずつ延長した上で、台数を25台から15台とする。 一方、事業を実施する沖縄総合事務局は22年度、タクパトを増やす。21年度の約1800台から、県ハイヤー・タクシー協会に所属する全約3600台へ倍増し、本格運用を始める。 タクシーにタッチパネル式の通報装置を搭載し、ドライブレコーダーに映った動画を県警が捜査に役立てる仕組みだ。 青パトの目印の青色灯は搭載せず、見た目は変わらない。防犯効果が薄れるのではないか、との本紙の質問に、総事局総務部安心・安全対策推進官の下地義弘氏は「タクパトの周知などを通じ、防犯効果を高める」と回答。「青パトと同じだけの防犯効果があるのか、本格運用後に検証したい」と答えた。[ことば]沖縄・地域安全パトロール隊 2016年4月にうるま市で起きた米軍属の男による女性暴行殺人事件をきっかけに、同年6月に政府が発足させた。2人一組態勢で、青色回転灯をつけたパトロール車両が、午後7時から翌日午前5時まで、本島内を巡回する。

最終更新:沖縄タイムス

ニュース 防犯巡回する「青パト」 タクシーに業務移行を検討 政府、予算減額し台数減少へ

タグ: