ニュース 21年千葉県内刑法犯 自動車盗が全国ワースト ヤード、道路網要因か 緊急宣言期間の粗暴犯は減少

粗暴犯の月別認知件数

 千葉県内の2021年の刑法犯認知件数は前年比2047件減の3万2638件で、19年連続で減少したことが17日までに、県警のまとめで分かった。罪種別では「窃盗犯」が全体の約7割を占め、このうち自動車盗は89件増の759件で全国ワーストだった。暴行や傷害などの「粗暴犯」が緊急事態宣言期間に減少するなど、新型コロナ感染拡大の影響もみられた。 県警生活安全総務課などによると、県内の自動車盗認知件数は毎年全国上位で推移。認知件数自体は2016年の1538件以降、減少が続いていたが、昨年は5年ぶりに増加に転じた。 県内は海外輸出などを目的に自動車を保管・解体する「ヤード」が全国最多の624カ所(昨年12月末時点)確認されており、港や高速道路網が発達していることが狙われやすい要因とみられる。 盗難被害にあった車種は、トラックが全体の約20%を占めた。このほか、高級車のランドクルーザーとレクサスの2車種で計15%、プリウスが10%と被害が目立つ。 全体の約8割が施錠していたにも関わらず被害に遭った。同課は対策として、ハンドルロックやタイヤガード、車外警報装置、GPS装置の取り付け、明るく防犯設備が整った場所への駐車を挙げる。担当者は「盗むことに手間や時間がかかるようにし、犯人に『盗みにくい』と思わせることが大切」と呼び掛ける。 刑法犯の罪種別では、殺人や強盗などの「凶悪犯」が35件減の208件、「粗暴犯」が98件減の1947件、「窃盗犯」が1166件減の2万3715件、詐欺などの「知能犯」が44件減の1664件。増加したのは、賭博やわいせつなどの「風俗犯」で、51件増の411件だった。インターネットの掲示板などに無修正のわいせつ画像をアップする「わいせつ物頒布等」が48件増の148件だったことが主な増加要因という。 一方、「粗暴犯」の認知件数を月別でみると、最多は11月の190件で、県内の飲食店に要請されていた「営業時間短縮」や「酒類提供制限」が全面解除(10月25日)になった後だった。最少は1月の116件。2月の127件、8月の133件が続き、いずれも緊急事態宣言が発令された時期だった。 県警幹部は「緊急事態宣言などで酒類提供が自粛されると、必然的に暴行や傷害事件につながる『他人と接触する機会』が少なくなる。認知件数の減少に影響しているのではないか」などと分析した。

最終更新:千葉日報オンライン

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