「マインクラフト」がJava版・統合版に両対応

 11月2日、「PC 用 Xbox Game Pass」のラインナップに「マインクラフト」が加わった。開発会社のMojangが2014年にマイクロソフトに買収され子会社となっていることを考えると、ラインナップに追加されるのが遅すぎるくらいだ(マイクロソフトはPC向けタイトルを発売と同時に「PC 用 Xbox Game Pass」にも加えている)。

「マインクラフト」のタイトル画面

 これにはちょっとした事情がある。PC向けの「マインクラフト」には、Java Edition(Java版)とBedrock Edition(統合版)という2つの製品があり、互換性がない。このうちJava版はMojangがマイクロソフトに買収される前からあるもので、プレイに必要なアカウントはMojang独自のアカウントだった。買収後の2017年に発売された統合版では、Microsoftアカウントを使用する。

 その後の2020年、Java版でもMicrosoftアカウントへの移行が始まった。これにより、1つのMicrosoftアカウントでJava版と統合版の両方が遊べるようになった。ただしソフトとしては別物なので、どちらか一方のソフトを購入してももう一方は遊べない。

 今回ラインナップに加わった「PC 用 Xbox Game Pass」では、Java版と統合版の両方に対応。「PC 用 Xbox Game Pass」を契約していれば、どちらも定額でプレイ可能になった。Java版がMicrosoftアカウントに移行したことで、1つのMicrosoftアカウントで両方に対応できるようになり、ソフトの買い間違いも気にせず遊べるようになったというわけだ。

ゲームスタート時、何も持たない状態でただ1人、新たな世界に放り出される(しかも運悪く木の上から……)

 前置きが長くなったが、「マインクラフト」のゲーム内容を紹介しよう。ジャンルとしてはサンドボックスや箱庭ゲームと呼ばれるのだが、ピンと来ない人も多いだろう。

 実際にゲームを始めてみると、四角いオブジェクトで形成された森や海が広がる世界に、プレイヤーキャラクターが1人、ぽつんと放り出される。これといったチュートリアルもなく、面白いかどうか以前に、「何をするゲームなのかわからない」というのが最初の素直な感想だ。

 ゲーム内では特に明示されないが、本作の最初のミッションは「安全な家を作る」こと。夜になると暗くなって視界が大幅に狭まる上、モンスターが湧き出して攻撃してくる。画面左下のハートマークがHPのゲージで、0になると死んでしまい、初期位置に戻される。そうならないための家が要るのである。

夜になって暗くなるとモンスターが現れる。戦って倒せるが、安全な場所を確保しておきたい

 本作の遊び方の基本は、タイトルにあるとおり「マイン(掘る)」と「クラフト(作る)」にある。地面の土に向いて左クリックを長押しすると、手が動いて土を掘れる。また木に向かって長押しすれば木を切れる(素手で切れるのに驚かされる)。掘ったり切ったりしたものはアイテムとして拾えて、再び配置もできる。

まずは木を切る。素手で叩き続けるとそのうち切れる

 木を切ったら、今度は手持ちのアイテムを表示させる。画面右上にはクラフトのウインドウがあり、ここに切った木を置くと、整えた木材を作れる。さらにこの木材から、「作業台」というアイテムを作り、設置すると、より多くのアイテムをクラフトできるようになる。

切った木を製材する

 ここまでできたら、あとは土を積み上げるなり山に穴を掘るなどして、ある程度の大きさの囲われた空間を作る。さらに木材で扉を作り、入口に備え付ければ、家の完成だ。

「マインクラフト」がJava版・統合版に両対応

 これで夜になっても敵に襲われることはない……と思いきや、家の中が真っ暗で、夜になると家の中にもモンスターが湧いてしまう。ある程度明るい場所にはモンスターは湧かないので、明かりになる「たいまつ」を作って設置する必要がある。

 必要な素材は、クラフトの画面で確認できる。1つは木材から作れる「棒」。もう1つは「木炭」または「石炭」。「木炭」は製材する前の原木を、「かまど」で焼くとできる。「かまど」は「丸石」で作れる。「丸石」は、石のブロックを「ツルハシ」で掘れば取れる。「ツルハシ」は、木製であれば製材した木材と「棒」から作れる。

手持ちの木材で「木のツルハシ」を作る

 なお「石炭」は黒っぽい粒が見える岩を「ツルハシ」で掘ると手に入る。最終的にできあがる「たいまつ」は、使った素材が「木炭」でも「石炭」でも同じだ。手に入れた「たいまつ」を家の中が明るくなるよう設置すれば、今度こそ安全な家が完成する。

「石炭」を掘れれば「たいまつ」が作れる作ったものを掘った穴に備え付け、とりあえず家が完成

 具体的な説明が続いてしまったが、この掘って作るプロセスこそが本作の醍醐味だ。例えば「ツルハシ」なら、「丸石」と「棒」でより頑丈な「石のツルハシ」が作れる。さらに「鉄のツルハシ」や「ダイヤモンドのツルハシ」といった、より強力なアイテムも存在する。それらを作るためには必要な素材を集めねばならない。

 より強力なアイテムを作るため、レアな素材を求めて掘る。徒手空拳でスタートし、家を作り、アイテムを作り、レアアイテムを探す。無から有を生み出し続けるのが本作の面白さだ。

 本作の世界には、モンスターが支配する海底神殿や、危険な異世界など、攻略目標となるものは存在する。ただゲームそのものに明確な目的はなく、大きくて格好いい家を作ってもいいし、強力な装備品を整えて冒険に出てもいいし、ひたすら採掘でレア素材を貯め込んでもいい。

土を高く積み上げて高い塔を作り、周囲を見渡すのも面白い。ただし足を踏み外すと落下死するので注意

 設定でモンスターが登場しないようにしたり、あらゆる素材を使い放題で物づくりに没頭できる「クリエイティブモード」が選べたりと、遊び方にも幅がある。マルチプレイも可能なので、プレイヤーの好みや修練度に応じて環境を変えられるのも魅力だ。

 ゲームの動作はかなり軽く、数世代前のCPU内蔵グラフィックスでもプレイ可能。GeForce GTX 1080を搭載した筆者の環境だと、統合版を4K解像度でプレイしても十分余裕がある。ちなみにリアルタイムレイトレーシングに対応したビデオカードがあれば、より美しい映像で楽しめる特別なワールドデータが無償で利用できる。

 Java版と統合版については、ゲーム内容に大きな違いはない。最も大きな違いはマルチプレイで、Java版と統合版は別のソフト扱いなので相互にプレイできない。統合版は各種家庭用ゲーム機版やスマートフォン版とのマルチプレイが可能となっている。

 なおJava版と統合版の「マインクラフト」に加え、以前から「PC 用 Xbox Game Pass」に対応している「Minecraft Dungeons」をインストールおよびプレイできるランチャー「Minecraft Launcher」も用意されている。筆者の環境では、「Minecraft Launcher」はCドライブ以外にインストールするとエラーで起動しない問題があった。統合版に関しては「Minecraft Launcher」を使わず直接インストールでも利用できたので、必要に応じて使い分けていただきたい。

Java版、統合版と「Minecraft Dungeons」を合わせた「Minecraft Launcher」。全て「PC 用 Xbox Game Pass」でプレイ可能

Microsoft Storeで「Minecraft Launcher」を購入する

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