名駅経済新聞 名駅に食品ロス削減目的の無人販売機 やむなく廃棄される商品を値引き販売
食品ロス削減を目的とした無人販売機「みんなのbox」が10月29日、「タカシマヤ ゲートタワーモール」(名古屋市中村区名駅1)に設置された。
「みんなのbox」内に並ぶ納品期限や販売期限、箱の破損などの理由で集められた商品
[広告]場所は「ボーネルンド」出入り口の右奥に位置する7階西エレベーターホール。ほかに、名古屋駅構内の「名古屋うまいもん通り 太閤通口」と、「名古屋マリオットアソシアホテル」の従業員食堂(従業員のみ利用可)に同時に設置された。
「みなとく」(東京都港区)が開発・運営する冷蔵機能付きの無人販売機器「fuubo(フーボ)」を活用し、同社がメーカー、卸、問屋、小売りから集めた、まだ食べられるのにやむなく廃棄される商品を販売する。
納品期限や販売期限のほか、箱の破損、ハロウィーン仕様など販売時期を過ぎたことなどが廃棄の理由にある。菓子、ロングライフパン、カップ麺など、小売価格から3~5割引きで販売する。賞味期限が近づいてきたものは最大8割引きする。それでも売れ残った商品は賞味期限1週間前をめどに販売をやめ、フードバンクや子ども食堂に寄付する。
利用者は同サービスのホームページから会員登録(無料)が必要。専用サイトから購入場所を選択し、表示されている商品から希望のものを選び、代金の支払いが完了すると登録したメールアドレスにワンタイムキーが届く。受け取り時は販売機に印字されたQRコードをスマホで読み取り、ワンタイムキーを入力すると電子ロックが解錠され商品を取り出すことができる。販売機にカメラを設置し盗難抑制を図る。支払いはクレジットカード、電子決済などキャッシュレス決済。
みなとくの沖杉大地社長は「値引きが目的ではなく、フードロスを減らすことが本来の目的。会員登録時にフードロス削減を目的とした商品であることに同意してもらう仕組み」「通勤中、休憩中、深夜など時間を問わず購入し、自身の都合に合わせて受け取ることができる」と話す。
設置者であるJRグループの担当者の吉澤克哉さんは「JRグループでも飲食、小売りなどの事業を展開している。社員が駅や地域での食品ロス削減の意識ができるようになってほしいという思い」と話す。今月中にはグループ会社の名古屋マリオットアソシアホテルの客室内冷蔵庫ミニバーのソフトドリンクも同取り組みの商品に追加予定。今後も同グループ内で活用できる商品を検討していくという。
同社は6月に、JRゲートタワー1階バスターミナルに「ネスレ日本」と協力し、廃棄する可能性があるネスレ商品を販売する無人販売機も設置している。企業協力仕様も含め、3年間で全国に500台の設置を目指す。