イーサネットに駆逐されたトークンリング復活:Token – WirelessWire News

ウェアラブルのガジェットには、手首に巻くリストバンド型や、首から下げるブローチ型、耳にはめるイヤホン型など色々なタイプがあるが、常に身につけるには指輪が便利。ただし、指輪は小さく作る必要があるから、文字を表示したりできない。人に何かを伝えるには、LEDを光らせるか、バイブレーション(振動)を使うかくらい。そこでこれまでの指輪型のウェアラブルは、スマホと連動して、電話やメッセージの着信があったら、あるいは、スケジュール帳に登録した予定の時間が来たら、ブルブル震えて知らせてくれるようなタイプが多かった。

イーサネットに駆逐されたトークンリング復活:Token – WirelessWire News

Tokenは、ニューヨーク州ロチェスターのスタートアップ、Tokenize Inc.社が開発しているスマートリング。NFC(近距離無線通信)で、コンタクトレス・ペイメントや、ノートPCへのログイン、オフィスや自動車の鍵として使うことができる。つまり、指輪をはめた手をかざすことで、お店での支払いができたり、ノートPCやタブレットにパスワードを入力する手間が省けたり、入館システムのICカード代わりに使えたり、車のキーの代わりに使えたりする。バッテリーは2週間保つという。もともと、トークン(token)とは、印とか証拠といった意味の言葉で、外国の地下鉄やバスなどで使われる代用コインもトークンという。

こうした機能を実現するには、他社との提携が必要だ。例えば、Microsoftと提携して、Windows Helloの指紋認証・顔認証を、指輪で代行できるようにした。非接触の支払いを可能とするためには、マスターカード、VISAと連携し、鍵としての利用についてはHIDと提携している。指輪がクレジットカードになるというわけだ。FeliCaが主流の日本では難しそうだが、世界の約50の公共交通機関で、非接触ICカード代わりに指輪を使うことができるという。そのほか、キーレス・エントリーが可能な自動車に乗っていれば、自動車のキーとして使うように設定することもできる。

鍵やカードの代わりにリングを使えるというのは非常に便利だが、誰かに盗まれたり、拾われたりしたら大変だ。Tokenは、指にはめる前に、指輪の内側の指紋センサーを使って、指紋認証で本人確認を行い、更に指で2回タップしたら、使える状態になる。また、同じく内側には光センサーが内蔵されていて、指輪を外すと自動的にToken自体がロックされてしまうようになっている。値段は249ドルで、CarKeyは100ドル、専用のドアロックも100ドルで、サイズは7種類。先行予約した人には2017年12月から出荷の予定。

類似製品に、NRC Ringというものがあって、こちらはKickstarterで2015年に資金調達していた。価格は30ユーロほどでTokenに比べると安い。こちらはKickstarterの時点で、モバイル機器のアンロックや、専用のドアロックの鍵の代わりに使える指輪だった。また、充電が必要なTokenと違って、非接触型ICカードと同じようにNRC Ringは充電する必要がない。こちらは現在、ペイメント(支払い)機能を追加したバージョンの予約販売を行なっている。価格と発売時期は不明だ。

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