トライアル、「AI冷蔵ショーケース」などを実装したスマートストア開業:同社史上“最先端”
トライアルホールディングス傘下のトライアルカンパニー(福岡市)は10月28日、IoT機器やAI技術を導入し、新しい購買体験の提供や効率的な運営を可能とした「スーパーセンタートライアル宮田店」(福岡県宮若市)をオープンした。自社開発の「スマートショッピングカート」の他、店舗初実装となる「AI冷蔵ショーケース」を18台設置し、同社史上最先端の設備を備えたと説明する。
スーパーセンタートライアル宮田店をオープン(以下、プレスリリースより)同店は、2021年7月に発表した、産官学協働で推進するリテールDXを軸にしたまちづくり「リモートワークタウン ムスブ宮若」プロジェクトの実証実験の場として開業。スマートショッピングカートなどのデバイス開発センター「トライアルIoTラボ」と、取引先企業と共同でリテールAIの仕組みを作る「MUSUBU AI」で開発したリテールテックやIoT機器の実証実験を進めていく。
トライアルIoTラボ店内には、自社開発の「スマートショッピングカート」を約200台、「リテールAIカメラ」を約200台、「デジタルサイネージ」を約120台導入する他、AIカメラとセンサーを備えた冷蔵ケース「AI冷蔵ショーケース」を18台設置した。
AI冷蔵ショーケースは、スタッフが目視で確認していた商品の欠品状況などをAIカメラやセンサーが代替するもの。また、日本語が苦手な外国人スタッフでも直感的に理解できるよう、ケースにはLEDを設置し、色によっていつ欠品が発生したかを分かるようにした。
色によって欠品状況などを共有また、全国の47店舗で約5000台が稼働している「スマートショッピングカート」は、お客が付属のスキャナーでバーコードを読み取ってゲートを通過すると、キャッシュレス会計が完了する仕組みとした。レジ待ちの時間を大幅に短縮すると共に、店舗オペレーションの省力化を実現するとしている。
また、カートに付属したタブレット端末には、スキャンした商品に応じたレコメンドを表示したりその場で使えるクーポンを配信したりする機能も搭載している。
その他に、商品棚の監視やお客の動線を分析し、オペレーションの最適化を図る「リテールAIカメラ」や「デジタルサイネージ」を導入した。
同社によると、リアル店舗での買い物の約8割が入店前は予定していなかった商品を購入する“非計画購買”だという。そこで、同社では「リアル店舗のメディア化」をテーマに、これらの技術を活用し商品とお客のマッチングを促進。買い物体験の向上を図るとしている。