メンズスーツが際立つ ワイシャツのおすすめブランドを紹介
ワイシャツはスーツスタイルには欠かせないアイテム。毎日着るものなので、お気に入りのものを持っていたいですよね。そこでこの記事では、メンズスーツが際立つワイシャツのおすすめブランドについて解説します。
ビジネススーツに合うワイシャツの条件
ワイシャツとひと口に言っても多種多様。ビジネススーツに合うワイシャツの条件を見ていきましょう。
襟の形① ビジネスの定番、レギュラーカラーとワイドカラー
まず、ビジネススーツに合うワイシャツを選ぶときには、襟の形をチェックしましょう。ビジネスシーンで最もスタンダードな襟の形はレギュラーカラーです。レギュラーカラーはその時代の定番という意味合いなので、襟の形や開きは時代によって少しずつ変化しています。現代のレギュラーカラーは襟足の高さが30~38ミリ程度で、開きの角度は75~90度。レギュラーカラーは重要なビジネスシーンや面接、冠婚葬祭にも対応できるので、1枚持っていると心強いアイテムといえるでしょう。
もうひとつ定番とされているのがワイドカラーです。襟羽が100~150度と広めに開いているのが特徴で、肩幅がある人に向いています。おしゃれだったことで知られるイギリスのウィンザー公が愛用していたことからウィンザーカラーとも呼ばれ、ブリティッシュスタイルのスーツに合わせることが多いワイシャツです。ワイドカラーはネクタイの結び目がよく見えるので、大きめの結び目になるウィンザーノットという結び方がおすすめです。
襟の形② ホリゾンタルカラー
ホリゾンタルとは「水平」という意味です。ホリゾンタルカラーはその名のとおり襟の角度が180度から水平になるくらいまで大きく開いたスタイルのワイシャツです。ブランドによってはホリゾンタルカラーを「カッタウェイ」と呼ぶこともあります。もともとフォーマルなスタイルから生まれたワイシャツで、襟が大きく開いていることから、ワイドカラーと同様ネクタイの結び目がよく見えるのが特徴です。そのため、こちらもネクタイの結び方はウィンザーノットにするとよいでしょう。
また、ホリゾンタルカラーはノーネクタイのスタイルでもだらしなくならずに着こなすことができます。第一ボタンをはずしても立体的なVゾーンがキープされるので、スマートな印象に仕上げることができるのです。ちなみに、ブリティッシュスタイルに合うワイドカラーに対して、ホリゾンタルカラーはイタリアで人気のスタイルといわれています。
襟の形③ ボタンダウン
ボタンダウンは襟先にボタンホールがついており、見頃についているボタンで固定するタイプのワイシャツで、襟立ちがよいのが特徴です。1896年にBrooks Brothersから発売されたポロカラーシャツがボタンダウンの起源といわれています。その後アイビールックを好む学生たちの間でヒットし、日本でも普及しました。ボタンダウンはノーネクタイのイメージが強いかもしれませんが、襟の部分になめらかな曲線ができるので、ネクタイとの相性も悪くありません。ノータイの場合は第一ボタンを開けて着用すると、きれいなシルエットが生まれます。ただし、レギュラーカラーやワイドカラーと比べるとカジュアルな印象があるので、冠婚葬祭や商談などには控えましょう。あくまでビジネスカジュアルに向いているアイテムだと認識して着用するのがポイントです。
ワイシャツの生地の種類
ワイシャツの生地にはさまざまなバリエーションがあります。生地の違いによって、着心地や仕上がりに差が出るのを実感したことがある人もいるのではないでしょうか? 最も定番なのは、ブロードという生地です。滑らかな肌触りとわずかな光沢があるのが特徴で、目上の相手との商談や冠婚葬祭にも対応します。季節を問わず着用できるのもポイントです。
ブロードの次に定番なのが、オックスフォードという生地。ブロードよりも織目が粗く通気性がよいので、夏に適しています。シワになりにくいというメリットがありますが、ブロードと比べるとカジュアルな印象になるので注意が必要です。一方、オックスフォードよりも糸が細いピンオックスフォードや、さらに細い糸で織られたロイヤルオックスフォードは、光沢感がありドレッシーな印象になるので、きちんとしたビジネスシーンやフォーマルにも適しています。
ワイシャツの色と柄
ワイシャツを選ぶ際、白の無地を選んでおけば間違いがなく無難といえますが、色や柄のワイシャツのルールがわかればスーツスタイルをよりいっそう楽しむことができます。まず、ライトブルーのワイシャツは爽快感や知的な雰囲気になるのが特徴です。癖がなく最も採り入れやすい色だといえます。ネイビーやグレーのジャケットとも相性がよく、コンサバティブな職場でも人気があります。一方、ライトピンクのワイシャツは遊び心を演出したいときにおすすめ。華やかでおしゃれな印象に仕上がります。ピンクはハードルが高いと感じる人がいるかもしれませんが、IT系やクリエイティブ系の職場などでは着用する人も増えてきました。
また、スーツにふさわしい柄といえば、ストライプが一般的です。ただしピッチの幅で印象が大きく変わるので注意が必要です。ピッチの幅が狭いほどフォーマルに適しており、広くなればなるほどカジュアルな印象になると覚えておきましょう。
ワイシャツの着こなしのポイント
ワイシャツをきれいに着こなすには、どのようなことに気をつけるとよいでしょうか? チェックしたいポイントをまとめました。
首回りのサイズ
サイズ感でまずチェックしたいのが、首回り。スマートに着こなすためには、首回りの実寸+2~3cmがジャストサイズです。実寸は専門店のスタッフに測ってもらうのが確実でおすすめですが、自分で測る際は喉仏の下にメジャーが通るように沿わせながら測るのがポイントです。わざわざ測るのが大変であれば、第一ボタンを留めたときに指が2本分入るかどうかをチェックしましょう。首元に余裕がないと狭くて窮屈な印象になってしまうので要注意。逆に首に対してシャツが大きめだと、ネクタイを締めたときに襟が重なってしまい、きれいに仕上がりません。そのため、ワイシャツを着こなすには首回りのサイズが重要なポイントになるのです。
袖の長さ
ワイシャツの袖の長さも着こなしポイントのひとつです。まず直立して力を抜いて腕を下ろします。ワイシャツの袖がジャケットの袖口から1~1.5センチ見える長さがジャストサイズです。ワイシャツの袖のほうが長いことで、ジャケットの袖口を汗や汚れから防ぐ効果があるのです。それだけではなく、ジャケットの袖口からワイシャツがさりげなく見えることで、スーツスタイルのアクセントになり全体のバランスがよく見えるというメリットもあります。
ちなみに、スーツスタイルにおいてワイシャツは長袖を着ることがマナーですが、近年はクールビズの普及にともなって半袖が許される職場も増えてきました。ただし、冠婚葬祭などフォーマルな場や商談などでの半袖の着用はNGなので、忘れずに覚えておきましょう。
身幅のサイズ感
首回りや袖だけではなく、身頃が身体にフィットするかどうかも重要なポイントです。ワイシャツはジャケットで隠れてしまうから見た目にこだわる必要がないと感じる人がいるかもしれませんが、春夏はジャケットを脱いでシャツだけになることが増えるので、きれいに見えるサイズ感のものを選ぶ必要があります。ブランドや商品によっては、サイズだけではなくシルエットの種類を選ぶことができるものも増えていますが、ビジネスシーンではややスリムなものかスタンダードが一般的です。ただし身体に対してスリムすぎると胸部に余計なシワが出てしまったり、太って見えてしまったりするのでほどほどにするのがポイント。逆に胸元に余裕がありすぎると野暮ったく見えてしまうのでNGです。ちなみにイタリアのブランドのシャツには後ろにダーツが入っていてウエストシェイプ効果のあるものが多いのでおすすめです。
インナーも忘れずに
ワイシャツだけではなく、インナーへのこだわりも重要なポイントです。欧米ではワイシャツは素肌に直接着るのが一般的ですが、高温多湿の日本ではインナーを着たほうが着心地がよく、マナーとしても着るべきと考える人も多くいます。ワイシャツを素肌に直接着ると汗をかいたときに肌に張りつきやすくなってしまうのです。インナーを着れば、汗で素肌が透けることで周囲に不快感を与えてしまうことが避けられますし、ワイシャツに汗ジミができるのを防ぐこともできます。
インナーは、白やグレー、もしくはベージュのものを選ぶといいです。透けて見えたときに目立つ黒や派手な色は避けましょう。また、襟元から見えにくいVネックや襟ぐりの深いものがおすすめです。汗のにおいが気になる人は、消臭加工のあるものや速乾素材のインナーだと安心かもしれません。ワキの汗が目立つのを防ぐためにも、袖のないタンクトップよりも半袖タイプが一般的です。
お手入れは抜かりなく
ワイシャツは毎日着るものであるにもかかわらず、洗濯やアイロンなどお手入れが正直面倒なのは紛れもない事実。自宅で洗うとシワになりやすく、アイロンがけも難易度が高くて大変です。かといって毎回クリーニング店に出すのは手間もコストもかかるので避けたいという人も多いでしょう。ワイシャツのタグを確認して問題ないようであれば、自宅で洗濯するときはネットに入れて、洗剤だけではなく酸素系の漂白剤も入れると襟や袖口の黒ずみが防げます。また、長時間脱水にかけるとシワの原因になるので、15~30秒で取り出すのがポイントです。アイロンはスプレーのりなどを活用して、人目につきやすい襟、肩、袖口をしっかりプレスするようにしましょう。
ワイシャツのお手入れは大変ですが、最近では防シワ加工の素材や形状記憶シャツも市販されています。効率を重視したい人は、こういったワイシャツも検討してください。
スーツに合うワイシャツの人気ブランド
ワイシャツを選ぶポイントがわかったら、次に知っておくべきなのは人気のワイシャツブランド。王道のブリティッシュスタイルやアメリカントラディショナル、もしくはメイド・イン・ジャパンなど、ブランドによって個性もさまざまです。
Turnbull & Asser(ターンブル&アッサー)
1885年に上流階級向けの紳士服店としてロンドンで生まれた老舗ブランド。1900年代初頭にイギリス王室の乗馬用レインコートを受注したことで注目されるようになりました。1960年代になると、モノトーンが基本だった紳士服ファッションでストライプや明るい色のシャツを発表し、一大旋風を巻き起こします。映画業界にも多くのファンを持ち、映画『007』シリーズではショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで歴代6人のジェームズ・ボンドが着用しているシャツとして人気を博しました。Turnbull & Asserのシャツの特徴は、襟の角度が120度開いたワイドカラー。襟の外側がS字状にカッティングされているので、ジャケットをはおってもシャツの襟が飛び出さないようになっています。また、シャツの多くはカシミヤのようにやわらかい希少なシーアイランドコットンで作られており、素材へのこだわりも感じられます。
伝統に裏打ちされた職人技と格式高いアイテムの数々は、王室から世界中の著名人に愛されています。
LUIGI BORRELLI TOKYO(ルイジ ボレッリトーキョー)
イタリアのナポリで生まれたLUIGI BORRELLI。創業者ルイジの母アンナが1904年に自宅でシャツの仕立てを始めたところ、たちまち評判になったことが創業のきっかけでした。1957年に母のシャツづくりを継承したルイジが立ち上げたブランドが、現在のLUIGI BORRELLIです。人体のつくりを研究し尽くし、ミシンと手仕事を組み合わせて生み出される最高の着心地のシャツは、ナポリを代表するシャツとして高い人気を誇っています。1980年以降、ルイジの息子のファビオが経営に参加してからは、シャツだけではなくネクタイやジャケット、ボトムスなどの製造にも進出。トータルメンズファッションブランドとしての地位を確立しています。
BARBA(バルバ)
BARBAは1964年にアントニオ・バルバとヴィットリオ・バルバ兄弟がナポリで創業したシャツメーカーです。当初は小さなアトリエで、優れたシャツ職人を集めて固定の顧客に向けてシャツを製造していましたが、今ではイタリア最大のシャツブランドに成長しました。伝統的なナポリスタイルとトレンドを融合させたシャツが世界中で愛されています。BARBAのシャツの特徴は、シーズンごとにミリ単位で修正、改良が行われているというこだわり。また、仕上げは手縫いで行われており、機械には出せないぬくもりを感じることができます。BARBAのシャツは細身のシルエットのため、日本人の体型に合うという点も注目すべきポイントです。
Drake's(ドレイクス)
Drake'sはアクアスキュータムのデザイナーとして活躍していたマイケル・ドレイクとチャールズ・ヒルによって1977年にロンドンで設立されました。最初はウールやシルク、カシミヤなどで作られたマフラーなどの小物のコレクションからスタートしましたが、2012年にチャールズ・ヒルの息子のマイケルがDrake'sのDNAを継承し、高品質なシャツの製造にも着手しました。ロンドンのモダンな雰囲気が漂うスタイルが人気を集めています。他国の工場で製造を行うブランドが多いなか、Drake'sは一貫してイギリスの自社工場で作りつづけているというところにもこだわりが感じられます。Drake'sのシャツは優美なホリゾンタルカラーが特徴で、ネクタイの結び目がきれいに見えるように考慮されており、見た目だけではなく着心地もすばらしいものになっています。
Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)
ファッション好きのみならず多くのビジネスマンから人気の高いBrooks Brothersは、1818年に創業したアメリカで最も歴史のあるファッションブランドのひとつです。創業者であるヘンリー・サンズ・ブルックスいわく「最高品質の商品だけをつくり、取り扱うこと。適正な利益のみを含んだ価格で販売し、その価値を理解できる顧客とのみ取引すること」。その理念のもとさまざまなアイテムを生み出してきました。歴代アメリカ大統領をはじめ、文化人やハリウッドスターなど、多くの著名人にも多くのファンがいるブランドです。
なかでも“No.10”と呼ばれる白のボタンダウンシャツは、Brooks Brothersのアイコニックなアイテムとして有名。かのアンディ・ウォーホルは、初任給でこのシャツを買ったというエピソードが残っています。
J.Press(J.プレス)
1902年、アメリカのイェール大学の校門前で産声を上げたJ.Press。アメリカ大統領ジョージ・ブッシュや各界のエリートたちも顧客リストに名を連ねており、Brooks Brothersと並んでアメリカントラディショナルの最高峰に君臨しています。創業当初から「着る人にとって快適な服」をモットーに、伝統とクラフトマンシッressプにこだわったものづくりを続けており、今なお受け継がれています。J.Pressのシャツのラインアップのなかでは特にボタンダウンが人気で、高品質のシーアイランドコットンとスーピマコットンを掛け合わせた自社オリジナルのマスターシードコットンで作られているのが特徴です。しなやかでやわらかい触感と控えめな光沢感から、落ち着いた品性を感じ取ることができる逸品です。
CHOYA1886(チョーヤ1886)
メイド・イン・ジャパンのCHOYA は1886年からシャツづくりを極めてきた老舗ブランド。日本の伝統的な手法で織り上げて作った生地と、手の込んだ縫製に定評があります。素材から縫製まで、日本で作られた証しである「J∞QUALITY」認証ブランドでもあるので、日本のモノづくりの実力を肌で実感できるでしょう。
なかでもコットン100%でノーアイロンを実現したCHOYAのシャツは、累計生産枚数150万枚を突破した大ヒットアイテム。そのほか、着心地と洗濯のしやすさを兼ね備えた形状安定加工のシャツも人気です。高品質ながらもコストパフォーマンスに優れている点も、根強いファンに支えられている理由といえるでしょう。
FAIRFAX(フェアファクス)
FAIRFAXは1976年に誕生した日本のメンズファッションブランド。ブランド名はアメリカのワシントンにあるフェアファクスホテルに由来しています。主にシャツやネクタイに力を入れており、ブリティッシュスタイルやアメリカントラッドをベースに東京やミラノなど各都市のトレンドを融合させたスタイルを確立しています。モットーは「大胆な保守であれ」。真面目なモノづくりにこだわるブランドのプライドにかけて、メイド・イン・ジャパンの高品質を体現しており、その姿勢は国内のみならずバーニーズ ニューヨーク本店でも評価されている実力派です。シャツのバリエーションが豊富なので、お気に入りの一品が見つかるでしょう。柔らかい芯地が使われているにもかかわらず、きれいな形をキープしているのは高い縫製技術ならでは。着心地のよさも抜群です。
麻布テーラー
麻布テーラーは1918年に大阪で創業したメンズスーツメーカー、メルボ紳士服のグループ企業が手がけたオーダースーツ専門店。格安スーツブランドに押されて辛い時期もありましたが、2005年に伊藤忠商事の支援のもと、ハイクオリティーのオーダースーツブランドとして返り咲き今に至ります。生地は国内産のほか、海外の歴史あるテキスタイルメーカーから仕入れたものを使用しており、縫製はすべて国内の直営工場で行われています。既製品よりも自分にぴったりのシャツが欲しいという方は、イージーオーダースーツに定評のある麻布テーラーで仕立ててみてはいかがでしょうか? サイズ感や着心地が肌にフィットするようなシャツなら、一日中着ていても快適に過ごせること間違いなしです。
KASHIYAMA the Smart Tailor(カシヤマ ザ・スマートテーラー)
「上質な着心地を、低価格・短納期で」を理念に掲げるKASHIYAMA the Smart Tailor。誰もがジャストフィットの一着を最短1週間で手に入れられることを目指して2017年に生まれたオンワード樫山のオーダースーツブランドです。シャツにおいてもシワのできにくい素材やテレワークにも最適な着心地抜群のジャージー素材など、多種多様な生地から選ぶことができ、しかもそれらは職人による手仕事で仕立てられています。ここまでクオリティーの高いシャツが手頃な価格で実現できるのは、受発注のIT化や工場直送が徹底されているゆえ。ITと職人技を掛け合わせたスマートな次世代のオーダーシャツを体験してみてはいかがでしょうか?
まとめ
おしゃれなスーツというとジャケットに気を取られがちですが、ワイシャツにもこだわるとよりいっそう格好よく着こなすことができます。襟の形や素材は今回取り上げた以外にもさまざまな種類があります。そのため、ワイシャツの世界の奥深さを知るといろいろな商品を試したくなったり、オーダーしたくなったりすること間違いなし。ビジネスシーンでのワイシャツの選び方と着こなしポイントをマスターして、自分にぴったりのスーツスタイルを見つけましょう。
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