「Android Wear 2.0」:ビジネスユーザーに嬉しい5つの機能
Googleが2014年にリリースした「Android Wear」は、モバイルOSの「Android」をベースとしており、スマートウォッチで利用することを想定して設計されたOSだ。Android Wearは、ウェアラブル製品向けにいち早く登場した主要なソフトウェアプラットフォームの1つで、スマートウォッチ市場でのGoogleの地位を強固なものにした。
最初の発表から2年を経た開発者会議「Google I/O 2016」で、 Googleは「Android Wear 2.0」を披露した。新しい表示や機能を備えた大規模なアップデートとなっている。特にGoogleのエコシステムを活用するビジネスユーザーにとって一層便利な生産性ツールとなるような改善やアップデートが施されている。
アップデートの内容は、デザインやコミュニケーション、ユーザビリティなどあらゆる範囲に及んでいる。ビジネスユーザーが用途を拡大できる5つの機能を紹介する。
1. スタンドアロンアプリ
一般的に見ておそらく最大のアップデートであり、さらにプロフェッショナルユーザーにも役立つのが、スタンドアロンアプリに対応したことだ。スマートフォンとペアリングして利用しなくても、Android WearアプリがBluetoothやWi-Fi、セルラーデータでインターネットに直接アクセスできるようになる。
Googleは、Android Wearデバイスの「Data Layer API」への依存関係を排除することでこれを実現し、スマートフォンと連携せずにすべての機能が利用できるようになった。スマートフォンを破損したり、会社に置いてきてしまったりしても、その日の予定を確認することができ、重要なメールやメッセージを見落とさずに済むようになる。
2. 通知
スマートウォッチは、重要なメッセージやリマインダを見落とさないよう、スマートフォンと連携する補助的なシステムとして使用する場合が最も多い。Android Wear 2.0では、通知機能のデザインとユーザビリティがともに改善されている。
デザイン面では、アイコンが小さくなったほか、メッセージは中央にダークカラーの背景で表示されるようになり、より読みやすくなっている。ユーザビリティ面では、特定の通知にコンテンツやアクションを追加できる機能拡張が導入された。
3. メッセージング
Android Wear 2.0では、メッセージ関連の通知がよりチャットに近い感覚で利用できるようになったほか、新しい返信機能が追加されている。これは、「MessagingStyle」の通知として開発者に紹介されている。「Smart Reply」は、提示される返信候補のメッセージを1度タップすれば返信できる機能だ。たとえば、受信したメッセージの内容がほめ言葉であれば、「Reply」(返信)をタップした後、「Thank you!」(ありがとう!)あるいは「Thanks for saying that.」(そう言ってくれてありがとう)といった返信候補が提示され、選択することができる。
4. 入力
スマートウォッチは、スマートフォンやタブレットと比べて画面が小さく、はっきりと正確に返信を入力することが難しい。Android Wear 2.0ではハンズフリー機能が拡張され、メッセージの送信といった操作を新しいジェスチャーや強化された音声制御機能で実行できるようになっている。
さらにAndroid Wear 2.0では、Android Wearデバイスでキーボード入力や手書き入力ができるようになった。これを実現するために、Androidの「Input Method Framework(IMF)」フレームワークが新たにAndroid Wearに対応しており、自動的にスクロールする手書き入力となめらかなバーチャルキーボード入力が可能になっている。
5. UI
どのようなソフトウェアのリリースでもそうであるように、Android Wear 2.0でもUIが大きく改善されている。アプリのランチャーが再設計されて、アプリメニューが円形に沿った形で表示されるようになり、必要なアプリを見つけやすくなっている。操作やアクションに利用する新しいドロワーも、より使いやすいユーザーエクスペリエンスを実現している。
最も大きなアップデートの1つは新しい「Complications API」にある。Complicationsとは基本的に、ユーザーが自分のスマートウォッチの文字盤に追加できるウィジェットのことだ。例えば歩数計をいつでも見られるように、またはやることリストをメニューから探さなくてもいいように、文字盤に追加しておくことができる。
提供:Googleこの記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。