武生中央公園にプールや園内電車

再整備される福井県の越前市武生中央公園水泳場の外観イメージ

 福井県越前市は8月26日、民間資本を活用するパークPFI(公募設置管理制度)を活用してリニューアルする市武生中央公園水泳場の概要を発表した。市内外の7社による共同事業体と連携し、8レーンの屋内25メートルプールを整備。24時間営業のスポーツジムや子ども向けの屋内遊び場などが入る複合施設とし、公園内の「だるまちゃん広場」を結ぶ「園内電車」も走らせて回遊性を高める。来年4月に着工し、供用開始は2022年3月の予定。

 パークPFIを活用した都市公園の整備は、県内では先駆けとなる。

 市が水泳場を含む公園施設の設置予定者を公募したところ、2グループの応募があり、5日の選定委員会でカワイ(本社越前市)を代表企業とする「TCP共同事業体」が選ばれた。事業体にはスイミングスクールやジム、アミューズメント施設を運営する企業が入っている。

武生中央公園にプールや園内電車

 事業概要によると、現在の屋外プールを解体して整備する施設は鉄骨2階建て、延べ床面積3178平方メートル。1階には25メートルプールと幼児用プールのほか、24時間利用できるジムを配置する。

 プールでは、水中ウオーキングや幼児レッスンなど幅広い年齢に対応したプログラムを用意。送迎を含めて市内小学校の水泳授業も受託し、老朽化が進む学校プールの代替施設としての役割も果たしていく。

 2階には、床面積約1千平方メートルの屋内遊び場を配置。幼児と小学生向けにゾーンを分け、園児らの遠足の受け入れも目指す。

 屋外にはイベントなどが行えるにぎわい広場にコンテナ型のテナントを4店舗分用意。飲食やファッションの事業者誘致を進める。

 合わせて水泳場とだるまちゃん広場の間を往復するタイヤ式の園内電車を運行する計画。カワイの河合洋典社長は「地元による地元のためのにぎわいと活気を公園全体に創出し、市全体を盛り上げていくことがコンセプト」と語った。

 パークPFIの活用について奈良俊幸市長は「予算の抑制につながるだけでなく、プールに民間で取り組む機能が拡充されてグレードの高い施設が整備される」とメリットを説明した。

 【パークPFI】行政などの都市公園の管理者と民間事業者が結ぶ協定に基づき、民間事業者がカフェや売店などの収益施設を公園内に設置・管理するとともに、収益を見越して公共部分も一体的に整備する。完成後に公共部分は公園管理者が買い取る。民間事業者は収益施設の設置期間が10年から20年に延長され、長期的な視野で投資ができる。公園管理者は民間投資の誘導で財政負担を軽減でき、民間手法を生かした公園のサービス向上が望める。

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