プジョー308シエロ(FF/6AT)【ブリーフテスト】 非凡なる平凡

【総評】飽きずに長く付き合えそう……★★★★★<5>

取り立てて派手にアピールするような部分には乏しいけれども、実用車らしく基本ポイントをしっかりと押さえた造りや、設定の確かさが魅力。旧型より外寸を小さく(長さ-55mm、幅-15mm、高さ-45mm)、軽く(-70kg)した見識はさすがプジョー。飽きずに長く付き合えるクルマである。次のクルマが見当たらず、古い「306」を大事にしているプジョーファンもそろそろ乗り換えるタイミングにあると思うが、現行型の308に試乗してみることをお勧めする。

プジョー308シエロ(FF/6AT)【ブリーフテスト】 非凡なる平凡

項目別の評点は必ずしも満点ではなく、重箱の隅をつつけば細かな欠点も指摘できるが、乗り終わったあとにクルマの全体像を振り返ってみれば「いいクルマだなー……」という感想に尽きる。項目別の評価を集計した点数が必ずしも総合評価につながるとは限らないだろうし、項目ごとの配点だってすべてが「均等」ではないはずだ。それで総合点では★を5つとした。

また、今回テストしたのはAT車だったが、現地仕様にはMT車があることを考えてしまうと、左ハンドルのMT車(日本の現ラインナップには存在しないから並行モノを選ぶしかない)が個人的には欲しくなってしまった。

世界規模で見ればフォルクスワーゲン・ゴルフの人気は高いけれども、ゴルフに似せないクルマを作っているところがフランス人の意地であり、コチラに共感する人々もまたそれなりに多いということだろう。308はプジョーの中でも看板の主力車種であり、内容的にも中庸を得た使いやすさがある。日本でもっと売れていいクルマだと思う。

<編集部注>各項目の採点は5点(★★★★★)が満点です。

ボディーが旧型よりひとまわり小さくなった現行「プジョー308」。サイズは全長4260×全幅1805×全高1470mm。「フォルクスワーゲン・ゴルフ」(4265×1800×1460mm)と同等。
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小径ステアリングと「ヘッドアップインストルメントパネル」を組み合わせたユニークな運転席デザイン「i-Cockpit(アイ・コックピット)」が採用されている。
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テスト車は最上級グレードの「シエロ」。車両価格は345万8000円。

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