【陸ジョブナビVol.3】ランナーの一番近くで安全・安心なマラソン大会を実現する「大会運営」のお仕事をご紹介! - スポーツナビ

【JAAF】

陸上やマラソン大会を開催するにはたくさんの「縁の下の力持ち」によって支えられています。今回のプロフェッショナルは陸上、マラソン大会をはじめ、スポーツや音楽、コンベンションなどのイベントを支え続ける株式会社シミズオクト。その「運営・警備」と「施工」の担当者にものまねアスリート芸人のM高史さんがお話をうかがいました。>>インタビューVol.3(PDF版)はこちら(https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202202/21_011223.pdf)〜シミズオクトのおふたりも活躍!〜東京マラソン2021 【男女共通】JMCシリーズIグレード1(G1)日程:2022年3月6日(日)会場:東京都・東京都庁(スタート)・東京駅前・行幸通り(フィニッシュ)大会情報:https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1618/ JMCシリーズ特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/

【©東京マラソン財団】

【陸ジョブナビVol.3】ランナーの一番近くで安全・安心なマラソン大会を実現する「大会運営」のお仕事をご紹介! - スポーツナビ

安全を支える「運営・警備」「普通に始まり普通に終わる」が最大の成功!陸上界でもさまざまな運営実績を上げている株式会社シミズオクト。その代表例として東京マラソンが挙げられるのですが、こういった大規模なマラソン大会は「運営・警備」「施工(装飾・看板)」と、大きく2つのチームに分かれて臨んでいます。「運営・警備」では、主に参加ランナーのみなさんが安心して、安全に走れるようサポートしています。 「施工」は、参加ランナーのみなさんが走るのにわかりやすいような看板や、なおかつ楽しめたりモチベーションが上がったりするような装飾を準備しています。まずは「運営・警備」のお仕事について、イベント・スペース開発部の横須賀勇さんに聞きました。「マラソンは基本的に公道が会場になるので、すごく広大なエリアで不特定多数の方を対象に案内や警備が必要になります。一般道を止めるので警察や関係者と調整して規制し、警備を配置します」運営や警備は、常にさまざまな事態をシュミレーションして当たっています。それもすべて、ランナーのみなさんの安全・ 安心をサポートするためです。「東京マラソンの場合、浅草や銀座といった混み合う場所がいくつかあるので、整理という部分でも警備やスタッフが多めに配置されたり、マラソンとは関係なく通行される方の迂回の案内も必要になります。また、緊急車両が通行する場所も想定して、大会を安全に開催しながらも緊急な場合に救急車や消防車が通行できるようなルートも準備しています」2013年のボストンマラソンで起こった爆破事件以降は、テロ対策として警備の人員を増やし、車両が突入できないような資材を置くなど、安全面もさらに強化されているのです。また、陸上競技場での競技会は競技場内だけでの開催となるため、警備・スタッフ で数百人ほどの規模。しかし、東京マラソンでは3万5000人以上が参加するうえ、都心の広域に及ぶため、警備員が3100人、スタッフが2500〜2600人と多くの人が携わり、警備体制も変わってきます。「警備も多くの人が関わっているので、警察の所轄ごとにチームを組んでいきます。 各チームの責任者の方には事前の段階から情報を共有し、確実に伝えるようにしていますね。また大会当日、レース中に想定していないところに緊急車両が通ることが あっても、慌てずに冷静に情報をしっかりとって、対応することを心掛けています」と横須賀さんは説明してくれました。マラソン大会を彩るモノづくり続いて「施工」のお仕事について、スポーツ・コンベンション営業部の大森章太郎さんに聞きました。「各所で装飾物、看板、仮設トイレなどの設置を行っています。見た目のわかりやすさにも気をつけています。例えば、給水地点の看板には文字だけではなく給水コップ のイラストなども描いています」 大森さん自身も陸上部出身で、学生時代は箱根駅伝にも出場。その〝ランナー目線〟を大切に準備しているそうで、「走っている時って周りを見る余裕がなくなってくるものなので、どこに何があるかがすぐわかるように心掛けています」。また、東京マラソンの場合、例年だと約6000人の外国人ランナーが参加するため、看板には日本語とともに英語表記も用意されます。そのほか、スタート地点に観客用の観覧席(コロナ禍以前)、高さ6mのスタートゲート、折り返し地点に置かれる折り返しタワーなども本番に向けて作られます。モノの準備は2週間以上前から、振り分けは1週間以上前から準備したうえで、本番に向けてはそこからが勝負。優先順位を決めて、最後の準備を円滑に進めています。また、事前準備も含めて多くの部署、セクションがあってさまざまな人が関わるため、情報共有の徹底がとても重要になってきます。大森さんには「ホッとする瞬間が大きく2つある」そうです。「スタートした瞬間、まず無事にスタートできて良かったという気持ちになります。ただ、ランナーの方が全員走り終わった後にも仕事が膨大にあるんです。装飾物、備品関係を回収する作業があり、それらが終 わるのが本番から3日後ぐらい。ここでようやく、一息つくことができるんです」  備品も、保管して次回以降また使うもの、 保存できないので廃棄するものに分けるそうです。

「施工」を担当する大森章太郎さん。東京マラソンの準備では陸上経験者の視点を大切にしているという【JAAF】

ランナーの一番近くで感じるやりがい・達成感とは最後に、横須賀さんと大森さんに、この仕事の〝やりがい〟についても聞きました。「東京マラソンの時は本部でモニターを見ながら対応できるようにしています。レースが時間通りに始まり、何事もなく終わる。普通に始まって普通に終わるのが私たちの成功であり、やりがいです。コロナ禍になって大会すらできない、大会が開催できても人数制限があったり、応援自粛になったりというのは僕らもつらいです。普通にたくさんの方が走り、たくさんの方が応援する大会に早く戻ってほしいですね。ランナーのみなさんが一斉にスタートしていく圧巻の姿、光景が見たいです」(横須賀さん)「ランナーのみなさんの笑顔、手を振りながらスタッフにも『行ってきまーす!』と言ってくれるのはうれしいですね。また、好記録が誕生した時に、コース作りの一員となり関われて良かったという達成感があります。演出面、装飾面でも楽しさが伝わり、興味を持ってもらえたらと思いますし、あの大会に出られて良かったと思っていただけたらうれしいです。参加した人、応援に来た人はもちろん、道を歩いている人にも『あ、東京マラソンやっているんだな』と感じて、楽しんでもらえる装飾、目で見てわかるものを作って提供するのは楽しいですね!」(大森さん)施工のみなさんが綿密な準備をし、運営・警備のみなさんが安心・安全に見守ってくれる。そのお陰で、ランナーのみなさんが目標に向かって思いっ切り〝現状打破〟できるんですね!

【JAAF】

■大森章太郎さん1985年生まれ、36歳。福岡・百道中→柳川高→国士大出身。小学校から大学まで陸上部に所属し、長距離が専門。主にマラソンや駅伝、陸上競技などスポーツイベントの施工・運営業務に従事。■横須賀勇さん1977年生まれ、44歳。埼玉・所沢中央中→拓大一高→日本工学院八王子専門学校出身。小学校、高校とサッカー部に所属(中学時代はバスケットボール部)。主にイベント・スポーツイベントの警備・運営の計画業務に従事。■M高史(えむたかし)さん1984年生まれ。中学、高校と陸上部で長距離。駒澤大学では1年の冬にマネージャーに転向し、3、4年次は主務を務める。大学卒業後、福祉のお仕事(知的障がい者施設の生活支援員)を経て、2011年12月より「ものまねアスリート芸人」に転身。川内優輝選手のモノマネで話題となり、マラソン大会のゲストランナーやMC、部活訪問など全国各地で現状打破している。海外メディア出演、メディア競技会の実況、執筆活動、ラジオ配信、講演など、活動は多岐にわたる。

【JAAF】

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