シリコンバレーから見たIoT動向「情報を操る者が、ビジネスを制する」

シリコンバレーのみならず、太平洋に近いカリフォルニア州は、朝起きると毎日快晴、湿度が低く快適な気候だ。アウトドア活動には最適な場所である。私はNECアメリカのGMを辞めた後、長年にわたりシリコンバレーで起業家として活動してきた。昨年からは東京にも拠点を構え、1年の3分の2を東京、3分の1をシリコンバレーで過ごしている。シリコンバレーでは週2回くらいの割合で友人と楽しい時間を過ごしている。先日も親しい友人、ジャック・ホングとナビル・ダモウニと会った。会話の内容の大半はIT関連である。シリコンバレーの住民にとっては、それが最も楽しい話題だからだ。ジャックは、NECアメリカ時代の部下だ。私がNECを退職した後に創業したロードバランサーの会社、CyberIQ Systems社では、製品企画&開発部長を担当してくれた。その後はアバイアなどを経て、現在は医師をつなぐプラットフォームを提供するKona Healthcare社を創業して技術部門の役員を務めている。ナビルも、NECアメリカ時代の私の部下だ。ナビルはその後、プロセッサーのスタートアップ企業、Basis Communications社を創業してインテルに5000万ドルで買収された。現在はお城のような大邸宅に住みながら、いくつかの企業をサポートしている。

快適な気候が特徴のシリコンバレー。冬も日中は20℃くらいに気温が上がる。写真はシリコンバレーにあるグーグルの本社オフィス

シリコンバレーで話題のIoTアキオ ジャック、君のビジネスの調子は最近どうだい?ジャック カリフォルニア州の開業医のほとんどがKona Healthcare社のネットワークに加入してくれたよ。多くの開業医が私たちのワークフローを使って診察しているので、開業医間での情報ネットワークが画期的に改善されたと喜ばれている。Kona Healthcare社の目的は、世界中の開業医がこのネットワークでつながり、インドの山奥の開業医でも最新の医療を提供できるようになることだけど、その第一歩を踏み出すことには成功したと思うよ。ところで、アキオは最近、何をしているんだい?アキオ 私が今、取り組んでいることはいくつかあって、1つはロボットのソフトウェア会社を創業した。スタンフォード大学の教授や関係者を多く取り込んで順調な滑り出しだ。シリコンバレーのIoT関連のソフトウェアやハードウェア製品を日本に紹介する仕事もしているよ。ジャック IoTはこれからだね。今は黎明期で、3~4年後には本格化すると思うよ。ただ、すでにいろいろと興味深いIoTシステムが登場している。例えば、Edyn社のスマートガーデンシステムだ。庭の芝生や野菜畑にセンサーを設置すると、芝生や畑の土壌の状況を時々刻々センシングして、必要な時にスプリンクラーをオンにして水を撒いたり、不足している栄養素をEメールで知らせてくれるシステムだそうだ。August社の顔認証機能を備えたインテリジェントなドアベルも、すでに1ユニット199ドルというから普及しそうだね。誰がいつ来て、いつ帰ったかなどのログも取れるし、ベビーシッターや掃除会社の人が玄関に来たら、外出中でもスマホからドア・ロックを解除できたり、ますます便利になるね。

シリコンバレーから見たIoT動向「情報を操る者が、ビジネスを制する」

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