冬も快適だった二重サッシと断熱・暖房。四十男 築50年の家を買う(4)

筆者宅の二重サッシは防音が目的

前提として断っておかなければならないのは、筆者宅で入居後に施工した二重サッシは、第一に防音を目的として導入しているという点だ。入居後にあわてて手配したのではなく、「二重サッシなどで防音対策をしっかりと施すことができれば、むしろアリな物件」という考えで物件を決めたという経緯がある。立地は駅前かつ合計5車線の幹線道路沿いで、パチンコ屋や飲み屋が階下に軒を連ねているため、そうした周囲の騒音から宅内の環境を守る手段として二重サッシを導入している。

冬も快適だった二重サッシと断熱・暖房。四十男 築50年の家を買う(4)

防音にこだわった理由は、周囲の環境に加えて、築50年以上という古いマンションであることも影響している。一般にマンションでは窓やサッシが「共用部」であることが多く、分譲であっても簡単には変えられないことが多い。筆者が購入した物件も、窓のアルミサッシはかなりの年代物のままだった。パッキンは劣化したか元から無いかで、隙間だらけで、音や空気が簡単に出入りできてしまうという状態だった。物件の周囲の騒音が普通よりも大きい上に、窓のサッシも防音性に乏しくスカスカなので、せめて窓だけでも現代的な内容に強化して、少しでも静かにしようと試みたのだ。

具体的には、追加した内窓(内側のサッシ)のガラスには「防音合わせガラス」を選んでいる。これは、省エネ住宅などで採用される、断熱効果に優れるガラスとは異なるタイプだ。また、物件にある5つの窓すべてを二重サッシにしたのも、「音が侵入する弱点をつくらない」という防音目的からだ。

二重サッシが持つ断熱や防音といった基本的な特徴は、外窓と内窓の間にできる空気の層が実現する。内窓をより内側に取り付けて「空気の層」を大きくすると、断熱や防音の効果はより大きくなる。仕組みとしては、内部に空気をたっぷりと含むダウンが暖かいのと同じだ。ただ、外窓がスカスカの筆者宅では、その「空気の層」の仕事に期待できないため、追加する内窓のガラスは、第一の目的である防音の合わせガラスにした形だ。

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