チェックインカウンター、ラウンジ、搭乗ゲート、機内、ここまでやっていたJAL国内線の新型コロナウイルス対策

■連載/鳥海高太朗のTRAVEL HACKS!

ドリンクサービスの際にはマスクにゴーグルを着用してサービス

「with コロナ」のなか、出張や旅行で国内線を利用する機会もあるなかで、各航空会社ではお客様に安心して利用してもらえるように、新型コロナウイルス対策を出発ロビー、ラウンジ、搭乗ゲート、機内、到着ロビーとあらゆる場所で実施している。筆者は実際にJALの羽田発福岡行きの便でJALが行う新型コロナウイルス対策についての取材をした。

チェックインカウンター

まず羽田空港のチェックインカウンターで目を引いたのは、アクリル板を使った透明なパーテーションだ。グランドスタッフ(地上係員)とお客様が対面で接する場合の飛沫防止に役立つが、簡易的なものではなく、本格的なアクリル板になっている。このアクリル板を使ったパーテーションはJALの整備士がオリジナルで製作したものであり、日頃の整備作業で培われている技術が役立っているそうだ。

お客様とチェックインカウンターで接する際にはアクリル板を使ったパーテーション越しに接客

また自動チェックイン機なども定期的に消毒をしており、ソーシャルディスタンス対策の為に運用台数を減らすなど「密」にならないように配慮されているほか、羽田空港に限っては自動手荷物預け機の運用が開始されたことにより完全セルフで荷物が預けられるようになっている。

自動チェックイン機と自動手荷物預け機を使うことで荷物も完全セルフで預けられる

福岡空港のチェックインエリアでも新型コロナ対策が実施されている

ラウンジ

羽田空港や福岡空港などでは、サーモカメラによる検温が行われた後、保安検査を通過することになるが、JALマイレージクラブの上級会員をはじめ、ワンワールドの「サファイア」「エメラルド」会員が利用できるラウンジについても、新型コロナ対策への取り組みとして、ラウンジ係員はマスクに加えて手袋も着用しているほか、ラウンジ入口にはアクリル板、ラウンジ入口をはじめ、トイレやドリンクコーナーの入口付近には消毒液を設置しているほか、羽田空港や那覇空港ではラウンジ営業時間終了後には二酸化塩素噴霧器を使った空間除菌も行われていた。ワンワールド「エメラルド会員」とJAL国内線「ファーストクラス」利用者が利用できる「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」で提供される軽食メニューについては個包装でのサービスに変更されていた。

ラウンジの入口にもアクリル板を設置している

羽田空港の「サクララウンジ」。消毒液も設置されている

チェックインカウンター、ラウンジ、搭乗ゲート、機内、ここまでやっていたJAL国内線の新型コロナウイルス対策

ラウンジ営業終了後に使用される二酸化塩素噴霧器

福岡空港のダイヤモンド・プレミアラウンジ。軽食メニューも個包装に

搭乗ゲート

搭乗ゲートにおいては、ソーシャルディスタンス対策で一定の間隔を空けて搭乗するようにアナウンスされていた。ANAでは、搭乗順番を小さなお子様や足が不自由な方などの事前改札に続いて、6つのグループ(後方窓側→後方中間席→後方通路側→前方窓側→前方中間席→前方通路側)に分けての搭乗順番に変更されているが、JALでは従来通りに事前改札の後に、マイレージプログラムの上級会員及びファーストクラス利用者、後方席、前方席の順の搭乗順番となっていた。羽田空港では新型の改札機が設置されており、従来機よりもバーコードやICカードをかざす位置が高くなったことで、体勢を低くすることなく改札機を通過することができるようになっていた。飛行機へ向かうボーディングブリッジ手前では消毒液も用意されていた。

羽田空港の搭乗ゲート。ソーシャルディスタンスを確保しての搭乗。羽田空港では新型の改札機が導入されていた

ボーディングブリッジ手前には消毒液が設置されていた

機内

空港内、そして機内でも各航空会社では、マスクを着用するように呼びかけていることに加えて、機内でも拭き取り用アルコールシートを用意している。機内には高性能フィルター(HEPAフィルター)が搭載されており、3分で全ての空気を入れ替えることが可能となっている。

機内に用意されているアルコールシート

客室乗務員もマスクを着用して乗務しているが、加えてドリンクサービス時には手袋やゴーグル(セーフティグラス)を着用して業務を行っていた。JALでは3月下旬以降、普通席やクラスJにおいては通常のドリンクサービスから紙パックのお茶を配る方式に変更されていたが(お子様には子供用のアップルジュースのミニパック)、7月1日以降はお茶のパックに加えて、アップルジュース(ミニッツメイド)、ミネラルウォーター、また希望者にはコカ・コーラのミニ缶を提供していたが、8月5日以降はペーパーカップでの提供を拡大し、冷緑茶、アイスコーヒーの提供も再開している。

機内ドリンクサービス光景。8月5日からはアイスコーヒーの提供も再開

またJALでは、羽田~伊丹、福岡、新千歳、那覇の4路線にファーストクラスを設定しているが、フライト中に提供される食事においては、蓋を被せたまま、または個包装された状態で提供する方式に変更されるほか、おしぼりを使い捨て紙おしぼりに、飲み物も1回だけの使用のディスポーサルカップに変更されている。

ファーストクラスの機内食も蓋を被せたまま、または個包装された状態で提供

飲み物も使い捨てできるカップなどを使用

更に機内のトイレには手指消毒スプレーを設置しているほか、国内線でも飛行時間が長いフライトでは客室乗務員がガウンを着用してトイレの清掃をしているなど、機内でも可能な限りの新型コロナウイルス対策を実施している。

トイレ内にも消毒液が設置されている

客室乗務員が飛行中にトイレの消毒を行う場合には防護服を着用

夜間整備でも機内消毒を実施

また1日の運航を終えた後の夜間整備でも、テーブルや肘かけ、エアバスA350型機やボーイング787型機などに搭載されているシートテレビなどもアルコールを用いた消毒が行われている。withコロナ時代、安心して飛行機を利用できるように航空会社では感染対策を最大限実施した上でお客様をお迎えしている。

取材・文/鳥海高太朗航空・旅行アナリスト、帝京大学航空宇宙工学科非常勤講師

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