死刑に立ち会った刑務官が明かす…死刑囚を絶対に「名前」で呼んではいけない理由

確定死刑囚3人の刑が昨年12月21日午前に執行された。死刑執行は2019年12月以来とおよそ2年ぶりで、岸田政権の発足後は初めてとなる。今回の執行を受け、確定死刑囚は108人となった。

日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の話』を取り上げる。

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死刑に立ち会った刑務官が明かす…死刑囚を絶対に「名前」で呼んではいけない理由

自殺防止が徹底されている

■死刑囚の部屋

死刑囚は拘置所内で隔離され、「死刑囚しかいないエリア」で生活する。その部屋は、1人1室。4畳ほどで窓、洗面台、トイレ、畳のスペース…と刑務所の独居と一見してそう変わらない。

「決定的に違うのは自殺防止に特化されているということです」(取材したM刑務官)

「刑務官が明かす死刑の話」より

窓は航空機にも使用される割れない特殊ガラスで、遮蔽版で外が見えないようになっている。洗面台の鏡はフィルムが貼られ割れにくい工夫がされていて、蛇口は首吊りのヒモをかけられないようボタン式だ。

「極めつけは24時間監視カメラで監視し、そのために夜中も薄明り状態にしていること。結構明るいから最初は寝られない死刑囚も多い」(M刑務官)

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