IIJmio「ギガプラン」が好調で3Qも純増 勝社長「接続料の引き下げが続く」と期待

 インターネットイニシアティブ(IIJ)が2月8日、2021年度第3四半期の決算を発表した。売り上げは1656億円(+6.1%)、営業利益は163億円(+60.9%)で増収増益を記録した。

ネットワークサービスやシステムインテグレーションが業績をけん引して増収増益となった

 個人向け「IIJmio」でより安価な料金プラン「ギガプラン」を提供したことでARPUが減少したことや、MVNEの売り上げが減少したことが響いて、モバイルサービス単体だと47.1億円の減収だったが、その他のネットワークサービスやシステムインテグレーションが業績をけん引した。勝栄二郎社長は「企業間のインターネットトラフィックが増え、セキュリティサービスのニーズが増していること」を好調の要因に挙げる。

IIJmio「ギガプラン」が好調で3Qも純増 勝社長「接続料の引き下げが続く」と期待

モバイルサービスはARPU減が響いて減収となった勝栄二郎社長

 モバイルサービスの総回線数は2021年12月時点で337.5万に達した。このうち、法人向けモバイルが132万回線、MVNEが98.3万回線、IIJmioが107.3万回線となる。

 特に伸びが著しいのが法人向けで、契約数は第2四半期比では10.2万増となった。モバイルサービス全体は減収だが、法人向けだけだと増収しており、監視カメラ、GPSトラッカー、ドライブレコーダー向けSIMのニーズが旺盛だという。また、既存案件からの回線追加もあり、継続的に事業が拡大しているとのこと。一方、MVNEについては、IIJが回線を提供しているMVNOの、キャリアからの買収に伴う移行措置により、回線数も売り上げも減少している。勝氏は今後も「販路、MVNEの拡大に全力を挙げていく」とした。

ギガプランのARPU減やMVNEの回線減によってモバイルサービス全体の売り上げは下がっているが、法人向けは売り上げと回線ともに好調を維持している

 IIJmioについては、2020年度は純減が続いていたが、4月に開始したギガプランが支持され、契約数は2021年度は第1四半期から105.3万→107.2万→107.3万と純増に転じている。2021年12月末時点のギガプラン回線数は60.7万、うち新規契約は約34%に上る。

 MM総研の調査では、2021年9月末時点でIIJはシェアトップを維持しており、2021年3月末の16.6%から18.2%にシェアを増やしている。一方、2021年は大手キャリアのサブブランドやオンライン専用プラン、また楽天モバイルの影響で、MVNO全体の市場規模は縮小している。そんな中でIIJmioはなぜ純増に転じ、好調を維持しているのか。勝氏は「競争環境は厳しくなっているが、(IIJmioは)お客さまに受け入れられるようサービス水準が高い。また値段も値頃感が良い。ネットや量販店で購入する人も多く、常に販路の拡大に努めている」ことを要因に挙げる。

 2020年度から、接続料の算定方式が、キャリアの予測に基づいた「将来原価方式」に変更され、2020年度の接続料が2021年12月末に確定した。当初の予測値よりも低い数字だったため、第3四半期に10億円強の費用が戻っている。勝氏は「DX時代になってトラフィックが増えているので、接続料の引き下げが続くのではないか」と期待を寄せた。

ドコモのデータ接続料の推移。今後も低廉化が続く見通しとなっている

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