AIで人の叫び声を識別する。パナソニックの監視カメラがスゴイ|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
パナソニックは人工知能(AI)の深層学習(ディープラーニング)を活用し、高度な解析ができる監視カメラを開発した。人の叫び声やガラスの破損音、クラクション、銃声などの音をAIで識別する。屋内外で広く普及している監視カメラの国内シェアでパナソニックは約32%を握り首位とみられる。ただ、中国など海外勢も攻勢をかけているため、付加価値製品で差別化を訴求する。
9月をめどに、さまざまな異常音をAIで識別する監視カメラを国内市場に投入する。AIプロセッサーの搭載により、従来はサーバー側で実施していた高負荷のAI処理もカメラ内で可能になる。カメラ内で顔や人、車両などを自動識別できる。価格は未定だが、屋内外用で順次発売する見通し。
調査会社の富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)がまとめたセキュリティー関連の機器・システム、サービスの国内市場調査によると、監視カメラとして使うIPカメラの2023年の国内市場規模は19年比16・4%増の496億円の見込み。監視カメラに画像解析やAI機能を内蔵したAIカメラの需要が本格化すると予測している。ただ、ハイクビジョンなど中国メーカーも日本市場への攻勢を強めている。
パナソニックは監視カメラを1957年から投入している。今後は、買収を決めたサプライチェーン管理(SCM)ソフトウエアを手がける米ブルーヨンダーのAIソフトも生かし、カメラを含めた監視・防犯システム全般でソリューション提案強化を目指す。
日刊工業新聞2021年7月14日