一戸建てで猫が飼いたい! 人と猫がストレスなく暮らすためのコツ
一戸建て住宅で猫と暮らすなら「室内飼い」が基本
猫を飼うときには、「室内飼育」を前提とした環境づくりが大切となります。ここでは、室内飼育のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
室内飼育が推奨される理由
環境省のホームページによれば、猫を飼うときには以下のような理由から室内飼育が推奨されています。
理由
猫は本来好奇心がとても強く、自由気ままに動き回る性質があります。そのため、室外に出歩いてしまうと、飼い主が想定できないようなトラブルに巻き込まれてしまう心配もあるのです。
こうした理由から、現在では猫の安全を守るためにも室内飼いが推奨されています。
室内飼育で注意したいポイント
しかし、室内飼いでは運動不足やストレスといった問題も起こります。犬は散歩に連れていけても、猫は散歩をさせるのが難しいため、室内で十分に運動ができるような間取り設計が重要です。
また、自由に動き回る性質を持った猫にとって、室内は変化が少なく退屈してしまいやすい環境でもあります。そこで、外の景色を眺められるような窓や自由自在に動き回れる動線の確保がカギです。
室内飼育に一戸建てが向いている理由
一戸建てのメリットは通常の集合住宅と比べて、上下の移動をさせやすい点にあります。階段や高さを生かしたキャットタワーなどによって、室内でも十分に運動不足解消が期待できるのです。
また、賃貸物件よりも持ち家が適している理由については、万が一室内に傷や汚れがついても原状回復費用を求められる心配がないといった点が挙げられます。LIFULL HOME’Sのアンケート(※)によれば、猫を飼っている人のうち、実に62.1%が「壁や床などで爪をとがれてしまった」と答えています。
ほかにも、以下のように室内や設備が損傷してしまったと答えた方は決して少なくありません。
項目 | 該当者率 |
---|---|
壁や床などで爪をとがれた | 62.1% |
家の中を汚された | 34.8% |
ふすまや障子の破損 | 31.2% |
家具やインテリアグッズの破損 | 28.1% |
扉の破損 | 15.0% |
特に何かを壊されたり傷つけられたりしたことはない | 17.6% |
※自宅で「猫を飼っている」と回答した420名に聞いた調査(複数回答可)
こうした点を踏まえると、持ち家のほうが安心して猫を室内飼育できます。さらに、持ち家であれば自由に設計を変えたり内装をDIYしたりすることもできるので、猫にとって居心地の良い空間を整えやすいのもメリットです。
ここからは、猫と暮らす一戸建ての考え方をテーマに、具体的に意識しておくべきポイントを見ていきましょう。
一戸建てを探す猫の視点で考えよう! 安全性への配慮
猫と暮らす家づくりにおいては、何よりも「安全性」を確保することが大切です。具体的な注意点をご紹介します。
キッチンに近づかないような工夫をする
キッチンは火元や電源コード、刃物などの猫にとって危険な要素が数多く存在する場所です。そのため、まずはキッチンの独立性が高い間取りづくりと、侵入防止用の柵を設けられるスペース確保を考えましょう。
また、猫は電源コードをかじって遊んでしまうこともあるため、コードカバーなどで覆うなど事故が起こらないようにする工夫も必要です。
落下防止措置を行う
猫は高いところを好む一方、落下の体勢や着地場所によってはケガを負ってしまうこともあります。ベランダなどの高所は柵の隙間を狭めて、落下しないようにしましょう。
また、階段の段差を緩やかにするなど、足に負担がかからないような設計も必要となります。
脱走しないように戸締まりを徹底する
猫はたとえ快適な室内環境を整えていても、外の世界が気になって脱走してしまうことがあります。そのため、脱走しそうなスペースをあらかじめ把握したうえで、窓や扉の戸締まりを徹底することも大切です。
庭や観葉植物にも注意する
一戸建てを持つ場合には、庭に植える植物や使用する薬品などにも注意しておきましょう。猫にとって有害な種類を事前に調べておき、誤飲や誤食が起こらないように心がけることが大切です。
ストレスを感じさせないための空間づくり
猫にとって快適な空間づくりにおいては、本来の習性を理解したうえでプランを立てる必要があります。ここでは、具体的に押さえておきたいポイントを詳しく見ていきましょう。
猫のためにそろえた家の中の設備・グッズランキング
猫を飼っている人が、猫のために用意した設備・グッズのうち、特に多かったものは以下のようになりました。
順位 | 導入した設備・グッズ | 回答率 |
---|---|---|
1位 | 爪とぎ | 74.3% |
2位 | 猫専用トイレ | 71.0% |
3位 | おもちゃ | 48.8% |
4位 | キャットタワー | 41.4% |
5位 | 猫用ベッド | 29.0% |
6位 | 猫ハウス | 25.7% |
7位 | ケージ | 24.3% |
8位 | カーペットなどの敷物 | 21.2% |
9位 | エアコン | 17.1% |
10位 | 空気清浄機 | 16.2% |
※自宅で「猫を飼っている」と回答した420名に聞いた調査(複数回答可)
爪とぎ
猫と暮らすうえでは、壁や床のひっかき傷を予防するために、爪とぎ場を用意してあげることが大切です。爪とぎ用に専用の柱を用意すると、気に入れば同じ場所で爪とぎを行ってくれるので、内装や床が傷ついてしまうのを防止できます。
爪とぎにはさまざまな材質や種類があり、縦置きか横置きかでも好みが分かれることがあります。居場所もさまざまなので、自由に移動できるものを選ぶといいでしょう。
キャットタワー・キャットウォーク
室内飼育においては、キャットタワーやキャットウォークを設置して、適度に運動できる環境を整えるのも重要です。一戸建ての場合は、梁や桁を活用してキャットウォークを設けるなど、設計プランの段階から工夫するのも1つの方法です。
エアコン
猫は本来犬よりも暑さに強い生き物ですが、それでも夏場は室温が上がりすぎないように適切な空調管理を行うことが大切です。適度に空調を使ったり、空気の循環を意識したりして、熱中症にならないように心がけましょう。
また、冬場は日向ぼっこができる出窓がお気に入りスポットになることもあります。
ペット可(相談)の物件特集ニオイ対策もしっかりと行おう
先ほどご紹介したランキングの2位には「猫専用トイレ」がランクインしています。猫との生活にとっては、トイレをはじめニオイ対策も行う必要があります。
トイレの設置場所を工夫する
ニオイ対策の基本は、トイレの設置場所を工夫することにあります。トイレは普段の生活でニオイが気にならず、掃除をしやすい場所に設置することが大切です。
猫は非常にきれい好きで、排泄(はいせつ)物を隠す習性もあるため、できるだけ人目が気にならないような場所に設置してあげるのもポイントです。また、縄張りを大切にする習性もあるので、複数の猫を飼うときには、それぞれに専用のトイレを用意してあげるといいでしょう。
ニオイ吸着効果のあるタイルも効果的
猫がよく過ごす空間には、ニオイ吸着効果のあるタイルを用いるのも有効です。床用タイルには、並べて敷くだけで掃除や交換が簡単に行えるものもあります。
イオン発生機・換気ファンを導入する
トイレなどのニオイがこもりやすい場所には、専用のイオン発生機や換気ファンを導入するのもいいでしょう。自動センサー付きのものであれば、猫の動きに反応して自動的にオンオフを切り替えてくれます。
ペット可(相談)の物件特集猫の習性を把握して、人にとっても住みよい工夫をしよう
猫の習性を意識した家づくりでは、同時に人にとっても快適に感じられる工夫を凝らすことが大切です。ここでは、間取りづくりの工夫例と住まい選びに便利なサイトをご紹介します。
間取りづくりの工夫例
自由に設計できる注文住宅なら、室内に光と風を感じられるスペースをつくっておくと、人と猫のどちらにとっても室内で心地よく過ごせる空間になります。また、人の生活動線と、猫の習性を考慮した間取りづくりも大切です。
たとえば、ドアがしまっていても猫が自由に出入りできるように、専用の「キャットドア」の導入を検討してみましょう。キャットドアがあれば、人が寝ている間でも猫が気ままに活動できるため、ストレスを感じさせる心配がありません。
住まい選びに便利なサービス
室内で犬や猫の飼育が認められている「ペット可(相談可)の物件」だけを集めました。ペット可物件なら、マンションなどの集合住宅でも安心して猫を室内飼育できるうえ、なかにはペット専用の共用スペースや足洗い場などが設けられているところもあります。
また、注文住宅を建てるときには、ペットの習性を考慮して設計を行ってくれる施工会社を選ぶことが大切です。専門的な視点から、最適な間取りづくりや効率的な動線確保のコツを提案してもらえるので、猫と生活する家づくりには心強い味方となります。
また、「ペットと暮らす家」の住宅カタログを見てみると、イメージが膨らみます。エリアごとに施工事例や施工会社の特徴を調べられるので、依頼先を選ぶときの参考にしてみてください。
「住まい選びや家づくりの進め方が知りたい」「ペットと暮らす家の条件整理をスムーズに進めたい」といった場合には、無料でハウジングアドバイザーに相談できる「LIFULL HOME’S住まいの窓口」が便利です。住まいの窓口では、家づくり・家探しの基本はもちろん、住宅ローンや資金計画についても細かく相談できるのがメリットです。
納得のいくプランや施工会社が見つかるまで、何度でも無料で相談できるので、ぜひご利用を検討してみてください。
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