AugustのWi-Fi Smart Lockレビュー:新たなスタンダード誕生?ほしい機能が全部詰まってる

開け、ゴマ。

引きこもり生活が続くなか、私もトレンドに乗ってささやかながら「おうち改善プロジェクト」をすすめております。スマートホーム技術にも手を出して、まずはスマート照明とスマートスピーカーを取り入れてみました。そうなると次は、スマートロックが王道ですよね。スマートロックは防犯カメラと違い、プライバシーの問題もありませんし(カメラついてないので)、取りつけも簡単で、映像やデータもないので管理もむずかしくありません。

今、スマートロックの問題といえば、Wi-Fiや自動ロックおよび自動ロック解除、最新のメジャーなスマートホームプラットフォームとの統合など、「これはあるといいな」とみんなが思うような基本機能が欠けている製品が多い、ということ。そのうえ、デッドボルトをまるまる交換しろっていうものもあり、賃貸や住宅協定を課す組合(ホームオーナーズアソシエーション)に加入している人とってはかなりハードルが高かったのです。

でも、今回リリースされた250ドル(約2万6,700円)のWi-Fi Smart Lockは、シンプルな外観に主要な基本機能をすべて詰め込んだ、誰もが使いやすい製品になっています。「いろいろな意味で、スマートロックの新たなスタンダードを確立した」と熱く語る、米Gizmodo Sam Rutherford 記者のレビューを紹介します。


August Wi-Fi Smart Lock

これは何?:Wi-Fiを内蔵したSmart Lock

価格:250ドル(約2万6,700円)

好きなところ:簡単に手早く取りつけられ、BluetoothとWi-Fiにも対応しているところ。付属の取付板、わかりやすい取扱説明書、自動ロックおよびロック解除機能。登録費用がかからない。

好きじゃないところ:アプリのセットアップに意外と時間がかかる。一部のAndroidでは自動ロック解除がスムーズに機能しないことも。Z-wave非対応。

取りつけは、わかりやすくて簡単

Wi-Fi Smart Lockの取りつけ方法は非常にシンプルで、Augustの前モデル Smart Lock Proより45%も小型化しています。デッドボルト(鍵の、施錠すると飛び出る部分)を交換する必要はなく、バックプレート(サムターンとドアの接続面を覆うプレート)を外したところにSmart Lock本体を装着する仕組みなので、表側の鍵穴には見た目的にも機能的にも、一切手を加えません。

つまり、Smart Lockをつけた後も、従来のカギを使えるということです。これなら緊急時に家主や業者さんが入ってこられるので、これは安心ですね。賃貸物件から退去する時も、Smart Lockを外してもとのデッドボルト用バックプレートをつければいいだけなので、敷金からドアの修理費を出す必要もありません。

ロック本体の取付手順は以下のとおり。

準備するもの:プラスドライバーのみ(デッドボルトの取り外しに使用)。

① デッドボルトを外す。

② バックプレートを外す。

③ 適切なアダプタを選んでつける。

AugustのWi-Fi Smart Lockレビュー:新たなスタンダード誕生?ほしい機能が全部詰まってる

④ 同梱されている取付板を装着する。

⑤ Wi-Fi Smart Lockをウイングナットで取付板に取り付けて固定。

これで、できあがりです! 私のように記録をとったり、写真を撮ったりしなければ、取りつけ作業は10分以内に終わるはず。

大まかな手順はこれだけですが、実際に取りつける際には、もうちょっと細かい作業が必要。たとえば、取付板をドライバーでネジ留めする際、ドア外側の錠部分がクルクル回らないように、テープでおさえつけておく必要があります。それでも、Augustアプリ内の手順書どおりにやれば(Android、iOS対応)、大失敗することはないはずです。

我が家のデッドボルトには、メーカー名が書いていなかったのですが、それでも何度か試したら、ぴったりのアダプターを見つけることができました。適切なアダプターだと、UPと書かれた矢印がちゃんと上向きになるので、はめてみればすぐにわかります。

次に、Augustの小型ドアセンサーを取りつけます。センサーはいずれもロック付近に設置するものですが、2種類の中から好きな方を選べます。ドアに埋め込む小型の円形センサーと、ドア横につける楕円形のセンサーです。円形のほうは、小型のドリルを使用する、とあったので、私は楕円形の方を選びました。ドリルは持っておらず、新型コロナで自粛の折、買いに走るのも嫌だったので…。

アプリには便利機能が満載です。

最後に、Wi-Fi Smart Lockとアプリを接続します。まずはBluetoothで、次にWi-Fi(2.4GHzのみ)で。これで、このスマートキーのすべての機能にアクセスできるようになります。その名のとおり、Wi-Fiポートを標準装備していることが、新しいWi-Fi Smart Lock最大の売りポイント。前モデルはBluetoothのみで、Wi-Fiには別売りのブリッジ用ルーター(August製、50ドル程度)を追加購入しなければなりませんでした。

アカウント登録したら、自分以外の人を「オーナー」あるいは「ゲスト」として招待することができます。自分が留守のときでもペットシッターとか業者さんとかに来てもらえるので、非常に便利です。

その都度、手動でドアロックを解除するという実践的なアプローチをとりたい場合、インターネット接続さえあれば、アプリを使ってWi-Fi経由でロックを遠隔操作することも可能。また、アプリにはロギングシステムが搭載されているので、ドアが開閉されたり、アプリ登録されているゲストやオーナーがロックを解除した場合、履歴が残ります。

また、もしも電池やWi-Fiが切れたとしても、通常のデッドボルトとしての機能は残るので、これまで使っていた鍵を使って開け閉めできます。昔、コメディアンのミッチ・ハドバーグがこんなジョークを言ってましたよ。「エスカレーターは故障なんかしない、一時的に階段になるだけだ」なんてね。「便利につき、ご了承ください」って。

自動ロック解除が超便利

今回アップグレードした機能のうち、私が一番便利だと思ったのは、自動ロック解除機能です。ユーザの位置を検出し、家に近づくと自動でドアの特区を解除してくれるので、帰宅時にカバンの中の鍵を探すことなく家に入れるんです。スーパーで買い物して、両手に大荷物ぶら下げてるときなんか、ほんとに助かりますよね。

今のところ、私はこの機能を問題なく使っているのですが、「一部のAndroidデバイスで自動ロック解除が適切に機能しない」とアプリに注意書きが表示されたことがありました。

この問題の詳細をAugustに尋ねたところ、Bluetooth Low Energy(BLE)を実装するAndroidにおいて「Androidデバイス間でのBLE接続タイミングに、多少のばらつき」があるため、自動ロック解除のタイミングが予想より遅れることがある、とのことでした。Augustいわく、同社はアプリの改良と接続スピードの改善に取り組んでおり、今後もプロセス向上に努めるということです。

うっかりさんも安心の自動ロック機能

在宅時向け機能として、Wi-Fi Smart Lockには自動ロック機能もあり、指定した時間(最大30分)が経過すると、ドアが再びロックされます。何人かお客さんを呼ぶときにいちいち開けたり閉めたりしなくていいし、ついうっかり鍵をかけ忘れてしまう私のような者にも安心です。これまでに1、2回、夜のゴミ出しのあとカギをかけ忘れたことがありまして…妻に散々言われました…。

August Wi-Fi Smart Lockはコンパクトで取りつけ簡単で、必要な基本機能を網羅しています。前モデルにWi-Fiブリッジのルーターを買い足すことを考えると、30ドルも割安。アプリには便利なアクティビティログがあり、ドアが開閉した履歴を追跡可能。また、既存のデッドボルトと連動するので、賃貸にも持ち家にも使えます。

AugustのWi-Fi Smart Lockは、優れたスマートホームテクノロジーそのもののシンプルさと協調性を兼ね備えています。ホームセキュリティのスマート化をお考えの方、まずはWi-Fi Smart Lockを検討してみてください!

まとめ

・用意するものは、デッドボルトの裏のカバープレートをはずすためのドライバーのみ。

・使用電池は前モデルの単三電池からボタン電池のCR123に変更。

・Androidのバックグラウンドアプリ処理方法により、一部のAndroidデバイスでは自動ロック解除がスムーズに動作しない場合があります。現在、アップデートに向けて修正作業中。

・前モデルに見られたZ-Waveサポートはなくなりましたが、Wi-Fiブリッジと引き換えになっています。

・音声アシスタントのHomeKit、Amazon Alexa、Googleアシスタントと連携します。

・カラーはシルバー。数週間後にブラックのカラーバリエが追加予定です。

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